友人夫婦の家に西野カナが大量発生していた件
先日、中学から付き合いのある友人数名で集まって「プチ同窓会」とは名ばかりの酒盛りで大いに盛り上がったときの話なんですが。
当日の会場が友人夫婦のマイホームだったこともあり、好きな食べ物・飲み物を持ち寄って、思い出話にも華が咲いてワイワイしつつリラックスもできて、友人(以後、T)の結婚祝いも兼ねていたもんでそりゃあもうハッピーなオーラが満ちていて、あの瞬間あの家はこの世で最もピースフルな空間だったんじゃないかと、いま思い出すだけでもニヤニヤしてくるじつに良い会だったんですよ。
ただ、そんな素晴らしい会のなかで唯一気になったこと、それは「友人の嫁さんの名付け、雑すぎ問題」。
これに関して友人の嫁が
「ぜんぜん雑じゃないよぉ!カザマっちが細かすぎるんだよぉ!(暗黒期のゆうこりんばりにプリプリしながら)」
とか言うもんですから、今回はみなさんに私が細かすぎるのか、はたまた友人の嫁(以後、Y子)が雑過ぎるのかをジャッジしてもらおうと思います。どうぞよろしく。
Y子の壊滅的なネーミングセンス
そのとき集まったメンバーというのは全員が中学時代の同級生でもうずいぶんと長い付き合いの気心の知れた奴らなんですけど、それは友人の嫁であるY子にも言えることだったんで自然と話題は2人が結婚するなんて思わなかったという方向に進んでいって。
「いやー!当時はこの2人が結婚するなんて全っっっっ然、想像つかなかったよな!」
「いや、まさか俺だってY子と結婚するだなんて想像してなかったよw」
「またまたぁ!そんなこと言って当時からY子のこと可愛いとか言ってたじゃんかw」
「えー!?なにそれ全然知らないんだけど!Tくん、あのころはSちゃんが好きだって言ってたじゃーん!(全盛期のゆうこりんばりにクネクネしながら)」
「え?Y子知らなかったの?Tくんがあんたのこと好きだったの女子の間では有名だったよ?w」
みたいなあの頃トークで盛り上がるわけですよ。昔話ってなんでこんなに面白いんだろう、何度同じ話を聞いても笑えるって凄いことだよなぁ、なんて思っているとTの携帯が鳴ったんですよ。
そしたらY子が、
「Tく~ん、カナが呼んでるよ~♡」
とか言い出すもんだからその場にいた全員がギョッとするわけで。
カナって誰だ!?まさか元カノ…!?それとも愛人…!!?それをY子が知っていて……まさかまさかの大修羅場に遭遇……!!!?!??
ってなことになって全員が青ざめるんですけど、当の本人たちはケロッとしてて、Y子に理由を聞いたら、
「携帯電話ってケータイとしか略せないでしょ~?でもケータイってなんか言いにくくて~。スマホもな~んか語呂が悪くって~。だから携帯もバイブするから西野カナって呼ぶことにして~それを縮めてカナって呼ぶことにしたの~♡(唐突なさとう珠緒スタイル)」
とのこと。
当時からこんなにイラッとするキャラだったっけ…と久しぶりに会うY子のクセの強さにやや戸惑いながらも、震えるものをなんでも西野カナに例えるあたりはやっぱり同世代だなと思ったりもしていて。
で、案の定、バイブレーションする大抵の家電製品にはカナという名前がついていた。
T曰く、前後の会話を元にどのカナなのか(カナで洗濯する⇒洗濯機、カナで温める⇒電子レンジ、といった要領で)を推測しているとのことで、慣れれば意外となんとかなると言っていた。
不思議の国のY子ちゃんに付き合ってあげてTもさぞかし大変なのかと思いきや案外楽しんでいるようだったのでやっぱり相性いいんだなと感心はしたものの、それにしたって『バイブレーション=西野カナ』のネーミングはあまりにも安直すぎやしないかとツッコミを入れると、
「違うよ!ケータイも会いたくて震えるんだよ!目覚ましで震えるのもご主人様~!起きて~!朝だよ~!ってご主人様と一緒に新しい1日を迎えたくて震えるんだし、電話がかかってくるときも誰かが自分に用があるからかけてくるんでしょ?それって会いたいってことじゃん!?だから会いたくて震えてるんだよ!!☆彡(全盛期のももちばりに電波系)」
と力説するY子。
思考が小学2年生レベルなのはともかくとして、なかなかどうして詩的な表現をするじゃないか。
歳を重ねてすっかり穢れてしまった今となっては電波系の詩にさえと心を動かされるんだなぁと感心しつつふと目線を落とすと、そこには見間違いであってほしいピンク色の小物が転がっていた。
なぜ見間違いであってほしいかって?それはソファーの下に転がっているそれが紛れもなく大人の玩具だったから。どこからどう見てもスイッチを入れるとバイブレーションする例のアレだった。
かくして、例のアレを見つけて唖然としている私の様子を敏感に感じ取った友人一同もまた、あっという間に例のアレを見つけることになるわけで、話題は一気に夜の運動会の話へと飛躍した。
「おいおいおいおいおい!!カザマがすげぇの見つけたぞ!!!!」
「えええええぇぇぇ!TくんとY子、これ使うの!?」
「あっ………!(分かりやすく青ざめるT)」
「ねぇねぇ、あんたたちどんなプレイしてんのよw」
一斉に色めき立つ一同を見て、顔を真っ赤にしながら必至に弁解するY子。
「ちっ、ちがうのぉ!!これはその、貰い物で…!昨日の夜ちょっと試してみようかってなったけど、どっかいっちゃって…!!あとで探そうと思っててすっかり忘れてて……!!!(こんなときでも田中みな実ばりのクネクネは忘れない)」
と、知りたくもなかった昨夜の事情まで漏らしてしまうほどにパニクっているY子と魂の抜けているTを見てさらに友人一同の茶化しは加速するのだが、私がいま最も気になっているのは昨夜の大運動会の種目などではない。友人夫婦の騎馬戦の模様は後でゆっくり聞くとして、それよりもまず確認しておかなければならないことがある。
「あのさ、もしかしてコレにも名前ってつけてんの?」
『震えるもの=西野カナ』の法則が正しければ、スイッチを入れるとバイブレーションするピンク色の例のアレにも名前がついているはずだが果たして…!とうとう観念した様子のY子は真っ赤な顔で答えた。
「えっと……うん。それもカナ……。」
やっぱりか!!これもなのか!!もう震えるものは全部カナだなこれ!!!?
とY子の安直すぎるネーミングセンスにガッカリしていると、聞いてもいないのにY子から追加情報が投入された。
「だって……本人も使ってそうだから……。」
これはひどい風評被害。あまりにも身も蓋もない理由でなぜだか分からないが、腹がよじれるほど笑ってしまった。
それからはこの一連の流れで『Y子のネーミングセンス壊滅的説』や、『Y子の名付けが雑過ぎる問題』、『昨晩の大運動会の競技種目発表』などを酒の肴にまたしばらく楽しむことになったのだが…。
どうですか?これ私が細かすぎるとかそういう問題じゃないですよね?みなさんのジャッジお待ちしております。
ということで今回はこの曲でお別れです。それでは。