タワーマンションのオシャレなレストランで処刑された話
住む世界が違うとはこのことか。
どうも!木曜につかの間の非日常を味わったがゆえに、金曜日の仕事が余計にツラかったカザマです。
一気に日常に引き戻された感が半端ない。
タワーマンションでの食事会におびえるカザマ
話の発端は月曜日。職場の同僚に「木曜日あいてますか?タワーマンションのレストランで軽いパーティーがあるんだけど良かったら来ませんか?」って言われたのがきっかけでした。
なに、軽いパーティーって。パーティーに軽いとか重いとかあんの?生まれてこのかたパーティーなんていったら友人のお誕生日会にいったくらいしか記憶にないんですが。それも小学生のころのおたんじょうびパーティーね。
ドレスコード?なにそれおいしいの?パーティーって聞くとすぐにキャラの編成をイメージしちゃうゲーム脳の私が参加してもいいものなの?すごく不安。
でもせっかくのお誘いだし、こんな機会も滅多にないわけで。最悪、場違い感に耐え切れなくなったらこっそり抜けて帰って家で泣こう。ブログのネタくらいにはなるでしょ。ということで恐る恐る参加を決意したのでした。
こんなとこ誘われたら私が女性だったら惚れてるね
そんなこんなで時間はあっという間に過ぎ、きたる木曜日。
普段、パーカーとかシャツとかのラフな格好を好んで着るんですけど、さすがにこの日はジャケットでおめかし。だってパーティーですよ。しかもタワーマンションで。でもさすがにキッチリしすぎても、それはそれで初心者が頑張っちゃいました感が出て恥ずかしいから下はジーンズでいいかみたいな。もう前の晩からすっごいいろいろ考えたんですよ。遠足の前日みたいにワクワクとドキドキで眠れないみたいな。
でまぁ、結果から言うと参加者けっこうラフだった。私のドキドキはなんだったのか。
しかしそんなことはどうでもいいと思えるくらいタワーマンションってのはすごいところでした。まず何よりも建物を目の前にしたときの迫力ですよ。なんでマンションをタワーにする必要があったんだか庶民の私にはさっぱり意味がわかりませんが、確かにここで住んでることそのものがステータスになりそうな高貴な雰囲気を感じます。
いざエントランスに入ってみるとやけにオシャレな螺旋階段やらコンシェルジュさんのお出迎えやら、ここはホテルですかって感じ。なんでも同僚がここの家主と知り合いなんだそうで、住人とその知り合いだけが立ち入りを許される屋上のレストランが今回の会場なんだそうです。てことでいざレストランに着いてみるとまぁ……オシャレ。(急激な語彙力の低下)
夜景はキレイだし、なんかピアノの生演奏つきで食事してるし、ワインセラーみたいな棚とかシステムキッチンとか、なんかもういろいろと……オシャレ。(2回目)
いま流行りのIQが下がるアニメ『けものフレンズ』でも軒並み視聴者の語彙力が低下する現象が見られますが、場のオシャレ度が自分のキャパを越えても同じ現象が起こることが判明しました。すごーい!
そんな空間で人狼ゲームをする贅沢
もちろん夕飯もピザを食べながらシャンパンを飲むというオシャレスタイルなんですが、お酒の力を借りて少し余裕が出てきたときに、「人狼やらない?スターターセットもってきたんだ」という提案が。ちなみにこの日集まったのは9人だったんですけど、みんなほぼ初対面同士というカオスな空間。それでも自然と親睦が深まったのは雰囲気のよさもあるのでしょうか。
それはそうと、今までずっと『人狼』というゲームの存在そのものは知っていたけれど実際にプレイするのは初めて。ルール説明から察するに要は騙しあいゲームという認識で良さそうですね。人狼は市民になりすまして人間の絶滅を狙い、市民側はそんな人狼を迅速に見つけて処刑することで勝利となる、よくある心理戦のゲームのようです。
言っても私、この手のゲームはわりかし得意です。こういう駆け引きみたいなゲームはコツがあるんですよね。そうとも知らず私を初心者だと思って油断してると痛い目をみることになるぜ…!
そう意気込んだ1戦目。
「残念ながら犠牲者が出てしまいました……。カザマくんです。」
なぜなのか。
思ってたのと違う!もっとこう、みんなで腹の探り合いみたいな高度な心理戦が繰り広げられると思っていたのに、私がやったことはテーブルに伏せられた市民のカードを引いて、進行役が顔を上げてくださいと言うまで下を向いていただけです。
理不尽にもほどがある。犠牲者は墓場からひたすらみんなの心理戦を眺めるだけの、いわば『みそボン』にすらなれない完全なる外野。死人に口なし。
墓場で理解したルールによると、まずこのゲームは昼と夜のターン制で進行していき、昼は市民側が人狼を見つけ出して処刑するターン、夜は人狼が人間を食べに行くターンなんだそう。そしてこのゲームは夜、人狼が動き出すところからスタートするので、市民側のプレーヤーは無条件で死の宣告をされることが起こりうるのだということでした。
また、最初に引いたカードの役職によって役割が違うようで、私が1戦目に引いた市民のカードはスキルなし。つまりただの獲物役だったというわけです。結局、私が生き残ったところで市民側のスキル持ちと、市民になりすました人狼との高度な心理戦において、私が専用スキルを発揮して活躍することはなかったようです。なるほどなるほど。
そんなこんなで初戦が終わり、次に引いたカードは『審判者』。なんでも、話し合いの最中にその場を無理やり取りまとめて処刑対象を選択できるとかいう、傍若無人なカード。しかしこれ使いようによっては一躍スターになれるカードでもあるわけで。
そうと分かれば気持ちを切り替えて、次の戦いこそ私の話術とスキルを駆使して活躍してやりますよ!
そう意気込んだ2戦目。
「残念ながら犠牲者が出てしまいました……。カザマくんです。」
なぜなのか。
デジャヴかな?タイムリープしちゃったかな?
進行役の人は私のことが嫌いなのかな?
どうでもいいんだけど進行役の人のタメかたが、水曜どうでしょうのミスターが安田さんonちゃんを紹介するときの「onちゃんですっ!」っていうときの独特の間にすごく似てる。
しかしまぁ、審判を下す前に墓場送りにされるとは思ってもみなかった。それはそうか。スキル持ちを引いてもまずは心理戦パートまで生き残る必要があるのか。こうなったら次こそ…!次こそは活躍して見せる…!
そう意気込んで臨んだ3戦目。今回引いたカードは『毛深き労働者』。ルールブックには「毛深き労働者は占い師が占うと人狼という結果が出てしまう」とのこと。おい、マイナススキル持ちかよ。
しかしそこは大した問題ではない。要は心理戦が始まる前に人狼にさえ襲われなければいいのだ。悪ふざけでまた私を最初に狙いに来る可能性も無きにしもあらずですが、そんな非人道的なことをする人が人狼になっていないことを信じて…。
今回も犠牲者が出てしまいました……。きっくん(仮名)です!
よっしゃ!生き残った!これでやっと私も参加できる!墓場からの傍観からやっと卒業できる!おーしっ!絶対に人狼を見つけてやるぞー!
占い師:「わたし見ました。あのひと人狼です。」
これはいけない。
占い師を公言する女性がこちらを指さして言っている。なんだって?私が人狼だって?バカ言ってんじゃないよ。私はちょっと毛深いだけの善良な市民ですよ。
占い師:「さっき占ったんですけど、人狼って結果が出てました!」
まてまてまてまて。
なにそのシステム。さっきまでそんなん言ってなかったじゃん。ていうかあなた、実は1戦目も2戦目も占い師だったよね。墓場からずっと見てたよ。さっきまですごい大人しかったじゃんか。なに3戦目にして急にアグレッシブになっちゃってんの。なに?このゲームに慣れてきちゃったの?
そうこうしているうちに、たちまち議論は私が人狼か否かが焦点に。
「いやっ!ちょ、ちょっとまってよ!私は毛深き労働者ですよ!これ占いで人狼って出ちゃう損な役回りなんですよ!もうちょっとゲームに参加させてよ!やめて!処刑しないで!わたしは市民ですよ!(必死の訴え)」
弁明をすればするほどみんなの疑いの目が濃くなっていくのがわかる。
だがしかし、まだ希望は残されているはずだ…!最後の処刑対象を投票で決めるまで分からない……!
しっかり処刑されました。
占い師のひとは謝ってるし、明らかに笑いをこらえてるアイツはきっと人狼なんだろうし、この手のゲームが得意とかとんだ勘違いだったし、もう生ハムやけ食いしてやるバカヤロー。
ちなみに3戦目終了時に、実は最初の人狼が市民を襲うパートでナイト(市民を1人だけ人狼から守れるスキルを持っている)が私を守ってくれていたことを知りました。マジ聖人。そして人狼も最初からしっかり私を標的にしていたことも知りました。とんだ畜生だぜ。
楽しい時間はあっという間に過ぎ…
そうこうしているうちに気付けばもう23時過ぎ。魔法が解けるまであと1時間ありますが、あいにく終電がそこまでありません。かぼちゃの馬車で国道を走るわけにもいかないので大人しく帰宅します。
本当に夢のような時間でしたが、とっても貴重な体験をさせてもらいました。
また行きたいなぁ…。タワーマンション。