よくみれば雑食

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帰ってきたUNISON SQUARE GARDEN

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街を歩く若者に「好きなバンドは?」と質問したならば、きっと3人に1人はUNISON SQUARE GARDENの名を口にするだろう。

それくらい今の10代~20代からの絶大な指示を得ている彼らだけど、かく言う私も彼らの大ファンである。

ただ最近の活動の様子を見ていると、メジャーデビュー前から聴いていたイチファンの私としては、少し寂しく思うこともある今日この頃だった。

けれど、そんな杞憂は最新アルバムを聴いたら一発で吹っ飛んだ。流石だぜUNISON SQUARE GARDEN。

今回はそういうお話です。

 

無敵すぎるぜ!UNISON SQUARE GARDEN!

私がUNISON SQUARE GARDENと出会ったのは2008年のこと。

この年は彼らがインディーズ2作目の『流星前夜』というミニアルバムを発売した年なのだけれど、当時高校生だった私は音ゲーにドハマりしていて、同年にゲーセンで稼働が開始された『Jubeat』というタッチパネルを押してスコアを競う音ゲーの初代ももちろんプレイしていた。

そのJubeatのプレイ楽曲のなかに『フルカラープログラム』という曲が収録されていて、なんとなくプレイしてみたらその曲に一目惚れ(一聴き惚れ?)したのが1番最初の出会いだった。

 

 

ちなみにフルカラープログラムは後に発売される10周年記念の『DUGOUT ACCIDENT』というセルフカバーアルバムで再レコされたのだけれど、音圧といい安定感といい、全てが期待以上に進化していて聴いた瞬間に興奮したのを覚えている。

もちろん、当時の粗削りな音源と10年の成長や貫禄をしっかりと味わえる再レコ版それぞれに良さがあるので未だにそれぞれ聴き続けている。

そんなフルカラープログラムとの出会い、もといUNISON SQUARE GARDENとの出会いから、ファンになるまでは早かった。

 

フルカラープログラムが明るい曲調なのになぜか哀愁のようなものを感じさせる曲なんで、そういうのが得意なバンドなのかと思えば、今度はズバ抜けて明るい爽快感全快の『センチメンタルピリオド』で華々しいメジャーデビューを飾り、深夜番組でちょろっと流れただけなのに強烈に耳に残った『マスターボリューム』はゴリゴリのロックテイストと本当に器用なバンドなのだと思ったのをよく覚えている。

正確にはUNISON SQUARE GARDENの楽曲のほぼ全ての作詞・作曲をしている田淵智也が天才なのだが、それはまた別の機会にでも書けたらと思う。

もちろん、ドラムの鈴木貴雄による編曲であったり、ギター・ボーカルの斎藤宏介のそれを完璧に歌い上げる歌唱力の高さ、そして各メンバーの演奏力の高さなど、そのどれもが実に魅力的で、間違いなく売れるだろうと思わせる実力が当時から既にあった。

 

UNISON転換期 ~第二章~

そして2011年、メジャーデビューシングル5枚目となる『オリオンをなぞる』で彼らの名は一躍有名になった。

大ヒットアニメの『TIGER&BUNNY』のOPテーマ曲に起用され、UNISONの十八番のキャッチーなメロディーと斎藤さんの中性的な声、そしてアニメの世界観・イメージと曲がバチッとハマったことによって、動画サイトを始めとして一気にサブカル層に名が知れ渡った。

 

いつ見てもこのMVの斎藤さんが生田斗真にしか見えない

 

個人的に『オリオンをなぞる』以降の活動を勝手にUNISON SQUARE GARDEN 第二章と位置付けている。

というのも、これ以降はタイアップ曲などがバンバンと決まり、キャッチーでポップでハッピーな曲のリリースが続いたからだ。

もちろん、歌詞の端々に考えさせられるような言葉が使われていたり、物悲しさを感じる楽曲があったことも確かだけれど、これまでの泥臭いロックや、ひたすら爽やかさに突き抜けた青春ロックみたいな曲を聴くことはほとんどなくなってしまった。

きっといつかはインディーズ時代やデビュー初期のような曲も作ってくれるだろう、今は活動の幅を広げるための寄り道で、そのうち戻ってきてくれるだろうと思っていたけれど、まさかそのままキラキラロードを進んでいくとは思わなかった。

どのバンドも曲調を変えたりなど、新たな挑戦をすることは必ず一度は通る道であると思う。ずっと同じことをしていても飽きられてしまうだとか、本人たちのチャレンジ精神によるものだったりとか、いろいろ理由はあるんだろう。

実際、活動の方向性をいろいろ模索しているうちに脇道に逸れたまま迷子になって、行方不明になったのち数か月後に白骨化した状態で見つかるバンドもごまんと存在する。ここでは具体例は出さないけれど、きっとみなさんもパッと思いつくバンドは1組や2組くらいはいるのではないだろうか。

そういう意味では路線変更をしてもファンの心をつかんで離さない彼らは、上手にやっているのだと思うけれど、それでもどこか寂しさのようなものも拭えないなんとも微妙な状態だった。

 

おかえり!UNISON SQUARE GARDEN!

しかし、冒頭にもお伝えした通り私のUNISONへの未練にも似た想いは、ただの杞憂だったということが最新アルバムを聴いてハッキリと分かった。

3枚目のアルバムである『Populus Populus』にはオリオンをなぞるが収録されており、全体的にホッコリとした優しい雰囲気の仕上がりになっていたように感じる。続く4枚目の『CIDER ROAD』も当時のようなキレが見られず、もうダメかと思っていたところに、5枚目のアルバムである『Catcher In The Spy』でキレを取り戻したと思わせてくれる楽曲がいくつか収録されていた。

さらに続く6枚目の『Dr.Izzy』では完全にキレッキレのロックをやっていて、そこにたまに挟まってくるキャッチーでポップな曲とのバランスが絶妙な良盤に仕上がっていた。

そして7枚目の最新アルバム『MODE MOOD MODE』を聴いて確信いたしました。

 

おかえり!UNISON SQUARE GARDEN!

 

とにかく全体のバランスが凄い。驚きなのはDr.Izzy以上に楽曲のエッジが効いていてキレッキレなので、シングル曲がクッション代わりに丁度いいという印象を受けるのだ。Dr.Izzyでもそうだったけれど、シングル曲を喰っちゃうアルバム曲をこんなにもポコポコ作っちゃうとかマジぱねぇっす。

かと思いきや、『fake town baby』や『Silent Libre Mirage』はタイアップ付きのシングル曲だから、いつもの方程式に当てはめればキャッチーでポップな曲だろうと安心していると、ところがどっこいキレッキレで最高にテンションが上がる曲が飛び込んでくる。

完全に不意を突かれて、うおっ!スピード感がすごいっ!ってなったと思ったら、ちゃんと続くアルバム曲でスピードを殺さず、かつ事故らないように走り屋のごとくハンドルをきってくれる。

そうこうしているうちにあっという間に11曲が終わって、ラストでありリード曲である『君の瞳に恋してない』は単体で聴くとやけにハッピーな曲だなくらいの感想だったんだけれど、アルバムを通して聴くとイメージが全く違って聴こえるもんだから、本当に魔法にでもかかったかのような不思議な気分だった。

まるで大団円のハッピーエンディングを迎えたかのような満足感。すごい。すごすぎる。

『かくして万事は気分の仕業。』これはMODE MOOD MODEのキャッチコピーだが、今まで勝手に不安になってUNISON SQUARE GARDENが変わってしまったと思っていたところに、このアルバムをぶつけられて目が覚めたような気分になった私に言われているような、そんな感じがした。

私は今まで、まんまとUNISON SQUARE GARDENの手のひらの上でコロコロ転がされていたのかもしれない。先日の幕張メッセでのライブも最高にカッコよかったし、ますます好きになっちゃうなぁ。

これからも応援し続けるぜ!UNISON SQUARE GARDEN最高!

 

ちなみに

4thアルバムから遊び心的な隠し要素として、このアルバムが何枚目なのかというコールが曲中に忍び込んでいるのだが、それは今回も健在だった。

4枚目では『ため息 shooting the MOON』の冒頭で「よん・まい・めー!」と叫んでいる。5枚目では『サイレンインザスパイ』で「ごまいっ!めー!」と叫んでるし、6枚目はもう『アトラクションがはじまる(they call it “NO.6”)』と隠す気すらない。

そして今回の7枚目は『Own Civilization(nano-mile met)』ときたもんだ。ナノマイルメットねぇ…

 

それと、UNISON SQUARE GARDENのライブに行くなら是非ともワンマンライブに行ってみてほしい。

フェスの際に「UNISONはMC嫌いだから全然喋らないんだよぉ」とドヤ顔でにわか知識を広めてる人がいたけれど、フェスは時間が限られているからMCをせずに1曲でも多く演奏をすると本人たちがいつだかに公言していたのよ。そもそもフェスに何しに来てるの?音楽を聴きに来てるんでしょ?ということみたいで。

一方、時間がたっぷりあるワンマンではしっかりMCを挟みます。しかも曲のみならずトークもキレッキレ。メチャクチャ面白い。なんならもっとトーク時間を増やしてくれてもいいのにというくらい。

そのうえ斎藤さんも「あぁ、いけない、ついつい喋りすぎちゃうね。」と言うくらいだから、少なくともMCは嫌いじゃないみたいよ。UNISONのワンマンライブ、興味がある方は是非。

あー、なんだか思い出したらまたライブに行きたくなってきた。ウズウズしてきちゃったんで、最新アルバムの初回特典についてきたライブ映像でも見て楽しむことにします。それでは。