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【映画レビュー】ブラックパンサーはド派手なアクションが最高にカッコイイ【ネタバレあり】

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引用:ブラックパンサー|映画|マーベル公式

 

2018年3月1日に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下:MCU)最新作、ブラックパンサーを見てきたので、簡単にレビュー的なものを書きたいと思う。

なお、タイトルの通りネタバレを含む内容になっているため、映画館まで楽しみをとっておきたいという人は、視聴後に感想を共有していただけたらと思う。

それではさっそくいこう。

 

壮大なスケールで描かれる親戚のいざこざ

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「ブラックパンサーってどんな内容?」と聞かれたら、この一言で全て片付く。

なんなら本編を見ていなくても、この一言を抑えておくだけで見たつもりで知ったかぶりはできる。

実にシンプルな内容のため、物語も基本的には本筋をずっとなぞっていく。

あっちこっちに時間軸が移動したり、訳のわからないキャラが出てきて衝撃の展開に発展していくみたいな忙しさはないから、マーベルシリーズ初心者には比較的見やすい(話が理解しやすい)作品なんじゃないかと思う。

もちろん、だからといって退屈かと言えば全くそんなことはない。期待していた通りのMCU作品で、今までのファンももちろん見て損はない作品になっている。

俊敏さとパワーをメインに肉弾戦を得意とするヒーローだから、とにかくスクリーンのなかを縦横無尽に飛び回る。しかもこれがまた、ブラックパンサーの動きがいちいちカッコいいからたまらない。

ド迫力のアクションでスカッとしたいならオススメの一本である。

 

超ハイテクなアフリカの農村というアンバランスさ

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SF系の作品において、ニューヨークなどの大都市がものすごくハイテクで…という設定はよく見るが、今回の舞台は、のどかな森林地帯のように見えて実はものすごいハイテク化が進んでいるアフリカの奥地。

ヴィブラニウムという特別な鉱石から得られるパワーと科学者の高度な技術によって、超ハイテクに発展した都市、ワカンダ。そこは特殊なバリアが張られ、一見するとごく普通の、のどかなアフリカの農村に見えるようになっている。

ワカンダの心臓部とも言えるヴィブラニウムは非常に強大なパワーを秘めているため、悪人の手に渡らぬよう、ワカンダ国内の情報なども外部へ漏れないようにしている。そのため、世界各国からはワカンダは農民たちが住む地域であると認識されている。

映画が始まって早々にこのアンバランスな光景を見ることになるのだけれど、この違和感がすごくよくて、これからワカンダで何が起こるのかとワクワクさせてくれる。

ちなみにこの『知恵と技術力を外部に漏らさない』という設定はブラックパンサーを見る上で重要な設定なので、しっかり理解しておきたい。

ただ、序盤にこれでもかとくらいワカンダとはどういう国なのかを説明をしてくれるため、居眠りでもしていない限りすんなり世界観を理解できると思う。ここらへんの物語の分かりやすさ(=取っ付きやすさ)も今作が高い評価を得ている理由なのかもしれない。

ちなみにマーベル作品ではもうすっかりお馴染みとなったエンドロール後のおまけ映像では、主人公であるティ・チャラが「今後は我々の技術の開示と支援を行う。世界が手を取り合っていこう。」と宣言すると、それを聞いていたうちの1人が小馬鹿にした言い方で「農村が我々に何の支援をしてくれると?」と質問をしてくる。

そこでティ・チャラが、目にものを見せてやると言わんばかりに含みを持たせてニヤリとするシーンがあるのだが、これが本編を通して1,2を争うくらいに好きだった。クールで正義感の強いキャラが、ふとした瞬間にイタズラっ子のような笑みを見せる。これでノックアウトされないわけがない。

この感じ、分かってくれる人はきっと多いはず。

 

インフィニティ・ウォーのために見るべきか

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以前、本ブログでも記事を書いた『マイティ・ソー バトルロイヤル』と、本作『ブラックパンサー』は4月27日に公開するアベンジャーズシリーズ最新作、『インフィニティ・ウォー』へ繋がる話とされており、インフィニティ・ウォーを見る前にこの2作はチェックしておくべきものであると世間一般では言われている。

が、それとは対照的に映画レビューを公開しているサイトなどを見ると、「インフィニティ・ウォーのために見に行って損をした」とか「見なくても全然問題ない」といったカキコミを目にすることがある。

こういったカキコミに影響されたわけではないが、正直なところ、私もブラックパンサーについては、インフィニティ・ウォーのためにわざわざ見る必要はないというのが素直な感想である。

というのも、前述したように今作の軸となるのは『先代から続く親戚同士の問題の処理』であり、宇宙からやってきた凶悪な敵から市民を守るために立ち向かうといった、いわゆるアベンジャーズのような正当ヒーローストーリーとは少し種類が異なる。

マーベルコミックをすべて把握しているわけではないため、実はインフィニティ・ウォーに向けた重大な伏線を見逃している可能性もあり得なくはないのだが、それでもアベンジャーズに出てくるブラックパンサーに対する理解としては、『父であり先代のブラックパンサーであるティ・チャカがテロに巻き込まれ死亡。跡取りであるティ・チャラが世界中の弱者のために己の信念・正義をかけて戦う』というキャラ設定だけ押さえておけば、おそらくあまり違和感はないんじゃないかと思う。

現にレビューサイトの肯定的なコメントを見ても、本編の出来に対する評価について言及しているものがほとんどで、これを見ておかなければインフィニティ・ウォーは理解できないというようなものではないようだ。

ということもふまえ、ブラックパンサーは『インフィニティ・ウォーまでの繋ぎ』ではなく、『ブラックパンサーというヒーローの魅力をより深く知るため』として見に行くのをオススメしたい。

もちろん、海外の映画レビューをひとつにまとめたウェブサイト『Rotten Tomatoes:ロッテン・トマト』では100%の最高評価を獲得するなど、高評価のレビューが目立つだけあって、映画そのものの完成度は非常に高い。

MCU初心者には分かりやすいストーリーかつ、ド派手なアクションで純粋に1つの作品として楽しめるようになっているし、マーベルシリーズのファンは王道の展開に「うんうん、マーベルっぽい作品だね」と安心感を覚えつつも、ブラックパンサーというヒーローへの理解を深めることで、このあとのインフィニティ・ウォーが更に楽しみになるし、チラッと出てきただけのシビル・ウォーを見返したりしてみるのも面白いのではないだろうか。

見るかどうかを悩むくらいならまずは劇場に行くべき!

そう断言できる良作なので、興味がある方は是非。