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【マンガ感想】『ゆうべはお楽しみでしたね』は毒にも薬にもならないラブコメで超好き

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出典:ゆうべはお楽しみでしたね | ガンガンONLINE | SQUARE ENIX

 

ここ最近で本当に面白いなぁと感じた漫画って『転生したらスライムだった件』くらいしかなかったんだけど、ずいぶん前に購入しておいた『ゆうべはお楽しみでしたね』を読み始めたら毒にも薬にもならないほんわかラブコメで超好みでした。

 

実在するゲームを題材にしたラブコメ

このマンガの最大の特徴と言えば実在するオンラインゲーム(ジャンルはMMORPG)の『ドラゴンクエストⅩ』を中心にストーリーが進んでいくということ。

ちなみにタイトルの『ゆうべはお楽しみでしたね』は初代ドラクエにて勇者がローラ姫と一夜を共にしたあとに宿屋の主人から言われる伝説のセリフからきている。

そんな本作はドラクエⅩでの交流をきっかけに、祖父の所有する一軒家に住んでいる冴えないオタク男子(ネカマ)と引っ越し先を探し中のリア充ギャル(ネナベ)が一つ屋根の下でルームシェア(というかハウスシェア?)をすることになるというお話。

お互いにネカマ・ネナベということに気付かず、「えー!同性だと思ってたのにー!」という出会いから始まるベタで王道の展開なのだが、最近は奇をてらった設定のマンガがあまりにも多いもんで、逆にこのくらいわかりやすい導入を読むとホッとする。

 

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ネカマの意味を知らなかったゴローさん可愛いよ!ゴローさん!

 

そのうえ昨今は「このマンガを読んで勇気をもらいました!」とか、「人生を見つめなおすきっかけになりました!」とか、逆に「こんな暗い話を読んじゃったから今日は仕事をする気になれない…」とか、読み手のメンタルを揺さぶる(揺さぶってやろうという魂胆が見え見えな)ストーリーも増えているなかで、本作はあくまで「とある男女の何気ない日常」を描くだけ。

「あー、あるある。わかるわかる。」という共感を得るような言動はちょこちょこと出てくるには出てくるけど、少なくとも「読者の共感を得て感動させたるでぇ~!」みたいなゲスい裏側が見えない。純粋にフィクションとして楽しめる物語を徹底して描いているから、現実世界の生活にほとんど影響を及ぼさない。精神衛生的に無害なのが本作のいいところだと思う。

 

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衝撃的な出会いでした

 

そして純粋に物語のテンポがよくて面白い。先の展開が気になってついつい読み進めちゃうのは、作者の金田一連十郎のストーリー構成のうまさに尽きる。

金田一連十郎といえばパッと思いつく作品は『ジャングルはいつもハレのちグゥ(および続編のハレグゥ)』だが、正直このころよりも格段に絵もストーリーの組み立ても上手くなっていて驚いた。

絵柄がまだ定まっていなかったころ(初期の『ハレのちグゥ』や『ニコイチ』のころ)は、ヤマなしオチなしの話が出てくることも珍しくなかったし、キャラと背景がごっちゃになってて読みづらいコマなんかも割とあった。

けれど『ゆうべはお楽しみでしたね』は基本的に1話完結型でキッチリまとまっていて、絵柄もポップなタッチになっているけれど背景はキッチリ書き込まれていてきちんと1コマずつゆっくり読みたくなる。

また、ポップな絵柄のなかに唐突に実写の画像をぶち込んできたり、キャラが突然やたらリアルな表情をしたりするなどギャグに緩急がついているのも面白い。もっとも、ハレのちグゥでもグプタがグゥにボコボコにやられる話(森の民が最高に好き)とか、ポクテの悲壮感漂う表情なんかは今読んでも声を出して笑うほど好きなので、このあたりは金田一連十郎の武器にさらに磨きがかかったという印象。

 

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キャラの表情が豊かで面白い

 

まぁ、正直ストーリー構成がもっと上手い人なんてごまんといるし、1巻を読み終えた時点でおそらくこんな紆余曲折があって最終回はこんな話なんだろうなぁという予想もできる。(案の定、うっかり見てしまった最新のネタバレが私が予想していた通りの展開になっていてワロタ)

でも金田一連十郎はこれでいいのだ。むしろこの予定調和こそ金田一連十郎の描くマンガの良さで私が好きなところなのだ。先の展開が見える話を丁寧に、淡々と、のんびり描いてくれるマンガの心地よさったらない。

逆にこの先、超展開が続くようならもしかしたら読むのをやめてしまうかもしれない。金田一連十郎作品にそういうのは求めてませんので。

この心地よさをしばらく忘れていたけれど、本作を読んだことでハレグゥをリアルタイムで追っていたころののんびりした雰囲気を思い出せたことは大きな収穫だった。

 

本田翼がゴローさんって…めっちゃ似合うな!

さて、ここで驚いたニュースが1つ。なんと来年の1月から本田翼主演でドラマ化されるらしいのだ。

ハレグゥはアニメだったのにこれはドラマなのか…!まぁドラマ化しやすい題材・ストーリーだし仕方ないのかなぁ…という一抹の不安は抱きつつ、主演が本田翼という点は実はかなり期待していたりもする。

というのも本田翼は自他共に認めるガチゲーマーで、つい最近は『ほんだのばいく』というゲーム実況チャンネルでYoutuberデビューを果たすほどのガチっぷり。そのためガチゲーマーのゴローさん(みやこちゃん)を演じることに違和感がなさすぎるのだ。

もう既に家でのすっぴん地味め女子と外出用のギャルメイク女子に扮する本田翼の姿が容易に想像できるもんね。(メガネ姿のビジュアルは公式HPで確認できるが、思った通り似合い過ぎだぜ翼さん!)

正直ここまでしっくりくるキャスティングもそうないのでは。となると気になるのはパウ(たくみくん)を演じる男性についてだが…と思って調べてみると岡山天音という俳優が演じるようだ。

うーむ…ちょっとオタク男子というイメージに寄せ過ぎなのでは?たくみくんもうちょい爽やかフェイスしとるが…。あと原作ではなかなかの長身で描かれているが、当の俳優は…。ま、まぁ、え、演技に期待ということで(震え声)

 

www.mbs.jp

 

今後もほんわか癒してもらおうと思います

それにしても、すっぴんのゴローさん(みやこちゃん)可愛すぎん?

童顔・妹属性・赤ブチメガネとか完全に私を殺しにきてる。的確に萌え殺しにきてるよ。これ。

ちなみに本作はオンラインゲームに疎くても丁寧に注釈が入るため安心して読めるし、かつ、オンラインゲームあるあるもたくさんあるため一度でもオンラインゲームをプレイした経験があるひとはさらに楽しめるようになっている。このマンガを読んでると登場人物たちがあまりにも楽しそうにゲームしてるもんだから、私もオンラインゲームしたくなってくるもん。

普通に生活していたらまず関わることのなかった2人(書店員の先輩(上司?)も「普段だったら絶対に関わりあうことのない人種」と言っているし)がひょんなことから私生活を共にし、ゆっくり確実に恋心を育んでいく様子はもうニヤニヤせずにいられません。しばらくは、たくみくんとみやこちゃんのほんわかラブコメを見て癒されようと思います。 

現実世界に疲れた方は是非、ほんわかラブコメで癒されてみてはいかがでしょうか。それでは。