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【映画レビュー】『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』のコレジャナイ感がすごかった【ちょっとネタバレ】

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出典:映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』オフィシャルサイト

 

このまえの金曜ロードショーで1作目を観たというのと、ハリーポッターシリーズの総まとめみたいな内容であるという噂を小耳に挟んだもんで、真相を確かめたくなったので観てきました。

なお、観に行った時点ではハリー・ポッターシリーズの内容は4割くらい忘れていたため、ところどころ見落としているところや気付いていない過去の伏線などがあると思いますがあしからず。

では、張り切って感想いってみよう。

 

これハリー・ポッターと同じくメッチャ続くやつ?

1作目の終わり方があまりにも綺麗だったもんで本作がだいぶ蛇足なんじゃ…という不安があったけれど、どうやらそんな心配はいらなかったようだ。なぜなら、

 

「あ、これガッツリ続編があるやつだ」

 

蛇足とかそういう次元の話じゃなかった。全然これで終わりじゃなかった。

ハリーが、ロンが、ハーマイオニーが、少年・少女から大人に変わっていったみたいにこの映画の登場人物たちもどんどんオッサン・オバサンになっていくのを見なきゃいけないのか?

しかも本作は「この悪者めっちゃつえーーー!!!これどうやって勝つんだよ!」で終わるというまさかの後味悪しエンド。

これで完結すると勝手に思い込んでた私が悪いのだけれど、まさかまだまだ続くとは…。どおりで話の進みが遅いと思ったんだよなぁ。

 

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黒い魔法使い?白い魔法使いの間違いでは?メッチャ肌白いじゃんよ。

 

ていうか前作でグリンデルバルドあっけなく倒してたじゃん。悪役の癖に見えないところで地道に修業でもしてたのか?

んでもって極めつけはハリー・ポッターシリーズよろしく家系図がどうとか、誰と誰が裏で繋がってるとか、実は隠された秘密が…とか既視感のある伏線がモリモリ引かれ始めて…。これおそらく次回作でも終わらんでしょう?と思っていたらなんと全5部作だった。

この設定モリモリな感じ、そして続編が数年おきに出てきて興味が薄れてくる感じ、ハリー・ポッターシリーズもリアルタイムで追うのがダルくなって完結後に最初から一気見したら情報量が多すぎて眩暈がしたことを思い出したよ。

 

1作目は好きだったんだけど…

さて、ネット界隈の感想をいろいろを読んでいると多くの人が「前作は好きだった」ということを書いていて、それを見て「あー、やっぱりか。」とやけに納得している自分がいた。

前作はハリー・ポッターシリーズの雰囲気は残しつつもほぼ別物の映画になっていて、見覚え・聞き覚えのある設定にニヤリとできた。

それに魔法動物も奇抜な見た目に反して人懐っこかったりしてその可愛さにほっこりできたのが良かったし、仲間との友情や淡い恋物語など全体的に穏やかな気持ちで楽しむことができた。

一方、本作はガラッと雰囲気が変わりダークさが目立つ。名前を呼んではいけないあの人が本格的に脅威になり始めたころのダークなハリポを彷彿とさせる暗さ。

このダークさというのはどうやらハリー・ポッターシリーズの著者であり本作の脚本家であるJ・K・ローリングの十八番というか得意技らしく、ハリポの原作小説も中盤以降はだいぶドロドロしていたらしい。

このダークな展開がシリーズ伝統の流れでありファン眉唾ものなのだと言われればそれまでなんだが、私のようなライト層からすると「またこの感じ…?」と正直うんざりしてしまった。

 

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おとぼけフェイスしとる場合ちゃうぞ

 

そのうえ設定や時代背景をハリー・ポッターシリーズに露骨に絡め始めたせいで本作の鑑賞時にハリポの内容を4割がた忘れていた私は展開に置いて行かれてしまった感があったし、そのくせとにかく説明口調が多くてテンポが悪かった。そのせいで何を言っているのか分からないまま次から次へと新たな設定をブチ込まれて、前作で感じられた爽快感がガクッと減ってしまったのが残念だった。

なおかつ登場人物が多く、それぞれのキャラクターごとの回想的な話が多いせいで本筋はほとんど進まなかったし、「ジョニー・デップつえーーー!!!」で終わらせたかったがために主人公たちも活躍しないしで、これ子どもは退屈すぎて寝ちゃうだろというのが正直な印象だった。(ぶっちゃけ大人も退屈すぎて寝ると思う)

また、前作見事に散ったクリーデンスという少年がサラッと出てきたときには思わず「クリーデンス生きとったんかワレ!!!」と心の中で盛大にズッコケた。もう勘弁してよ。そのうえダンブルドア先生の弟とか超展開すぎん?

 

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生きとったんかワレ!!!

 

なんかもう次から次へと超展開すぎて、この調子だと最終的に仲間を殺された主人公が怒りに震えて金色に輝くスーパー魔法使いになってジョニデをやっつける。でも実は仲間は生きてました。なーんだよかったね。めでたしめでたし。みたいなことになっても驚かない気がしてきた。

 

ちなみに史実とリンクしているのがミソらしいです

ちなみにファンタスティックビーストシリーズは実は1926年から1945年の間、つまり第2次世界大戦の真っ只中の物語なのだそう。

1作目は1926年のニューヨーク、2作目は1927年のパリをメインに物語が進行していて、実際にその時期に起きた出来事に沿ったセリフや思想が反映されているらしい。

そういえば1作目でも「戦争は嫌だ」的なセリフがあったような気がするし、グリンデルバルドが魔法大戦を引き起こそうとしているのも時代背景的なものと絡めた思想だったのかと。

なお、原作ではグリンデルバルドがダンブルドアと戦い負けることになっているのが第2次世界大戦が終結する1945年になっているそうなのだが、これは偶然とのこと。

ここまですべて著者のJ・K・ローリングが語っていることなので、3作目以降も史実に基づいた演出が続々出てくる可能性が高そう。

歴史のお勉強をしてから劇場に足を運ぶとまたちょっと違った見方ができるのかもしれない。

 

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ダンブルドア先生めっちゃイケメンやんけ!

 

さらに若かりし頃のダンブルドアは実はゲイで、グリンデルバルドに恋をしている。

これも著者のJ・K・ローリング自身が語っていることで、ダンブルドアの妹のアリアナの死、そして思想の違いから仲違いしつつも互いに直接攻撃できない理由として、お互いが交わした『破れぬ誓い(互いに戦わないという誓い)』の存在と、かつての恋心をあげているそうだ。

ただまぁ、実はゲイで…っていう事実から苦悩する姿を描く物語はつい先日も『ボヘミアン・ラプソディ』で観たばかりだから正直お腹いっぱいなんだよなぁ。(こればかりは誰が悪いわけでもないけど)

 

まとめ

ということで本作についての個人的な感想は、いろいろとガッカリするポイントが多かった作品だった。

ハリー・ポッターシリーズとの繋がりは聞き覚えのある単語や、ハリーたちが授業で使っていた教科書の著者であるニュート・スキャマンダーが主人公なんだぜ!くらいのニヤニヤできる程度の要素に抑えてくれたらよかったなぁ。

せっかくスピンオフ作品でほぼ別物としてスタートしたのに第二章でガッツリ、ハリー・ポッターシリーズのサイドストーリー(むしろ蛇足)をやり始めたのはかなりしんどい。次回作を観るかどうかは世間の評判次第かなぁ。ハリポ自体もそこまで思い入れもないし。

ハリー・ポッターシリーズで幼き頃のマルフォイが顔をしわくちゃにして「この穢れたマグルの血め!」って悪態をつくシーンのマグルって魔法使いじゃない人のことだったんだぁとこの映画でようやく気付いたくらいだしなぁ。

 

おそらく今作は主人公(ニュート)たちの活躍を描く物語ではなく、クリーデンスが自分自身を探す物語だったんじゃないかと。そう!今作の真の主人公はクリーデンスだったのだ!的な。

そのためニュートたちの活躍を期待して、なおかつ前作のような明るいニヤリとできるファンタジー映画を期待して観に行くと、私のようにコレジャナイ感を味わってしまうことになるかもしれない。

ということでここまでほぼ悪口だったので本作で気に入ったところもちゃんと述べておこう。

 

本作で最も気に入ったところは魔法動物の可愛さです!以上!

 

魔法動物の可愛さを巨大スクリーンで楽しみたい方は是非。