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【ドラマ感想】『いだてん』がこれまでの大河ドラマとはだいぶイメージが違っていて意外と面白かった

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出典:NHK大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』

 

年明けの6日からスタートしたNHK大河ドラマの『いだてん』が意外と面白かったんで感想書きます。

どうぞよろしく。

 

マンガでわかる!歴史の偉人!みたいなノリで見れるドラマ

大河ドラマっていうとどうしても「戦国武将の生き様!」とか「漢(おとこ)の一生を描く!」みたいなカッチリした印象が強くて、そこにあの独特のナレーション(落ち着いた女性の声)が入ってきて眠気を誘うもんだと思ってたんだけど、何気なく見た『いだてん』は私の思っているそれとは少し毛色が違っていた。

もっとも、そもそも大河ドラマとは何ぞや?というと

 

NHKにおけるドラマの枠の総称である。放送形態は1回45分・日曜夜・1年間(50回前後)放送。第1作放送開始以来、枠としての中断は一度もない。

『連続テレビ小説』と並んで、NHK、ひいては日本のドラマの代表格としてメディアでも取り上げられ、視聴率の変遷がネットニュースなどで頻繁に取り上げられる。

作品内容は、日本史上の人物の生涯を描く一代記がほとんどである。ただし、架空の人物が主人公や主要登場人物を占める場合もある。主人公は男性であることが多いが、2000年代以降女性主人公の作品も多く作られている。

引用:大河ドラマ - Wikipedia

 

ということなんだそうで、史実に基づいた内容であれば、別に戦国武将が出てこなくても内容がカッチリしてなくてもいいらしい。

そんな『いだてん』の初回平均視聴率は15.5%と民放局だったら超大ヒットとか言われるレベルのはずなんだけれども、どうもこの程度の数字は大河ドラマにとってはいつものことなんだとか。すごいね。NHK。

ちなみに『いだてん』は『異例の大河ドラマ』として放送前から注目されていたそうで、明治以降の近現代が舞台となるのはじつに33年ぶりのことなんだそうで。しかもスポーツ選手が主人公になるのは大河ドラマ史上初の試みとのことで、クドカンの手腕が試される。

 

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すげぇいい笑顔してるぜ勘九郎 

 

こうして異例のスタートを切った本ドラマに対し一部からは「大河ドラマとは認めない!」という戦国武将が出てナンボ、幕末の偉人が主役でナンボという声もあがったらしいが、結果的にいだてんは世間一般から広く受け入れられたようだ。

世間一般というのはもちろん私自身のことでもあるわけで、大河ドラマに対して「良くも悪くも古き良きを大事にする作風」という先入観を持っていた状態で第一話を見てみると、非常にテンポよく物語が進みつつも要所をキッチリ抑えながら進んでいくため『マンガでわかる!オリンピックの歴史!』みたいな小学生向けの教育マンガのような見やすさを感じた。(褒めてます)

変にドラマチックにしようとして遠回りしたり余計なシナリオを挟んだりする、民放局のあんなドラマやこんなドラマとは違って淡々と話が進むため非常に見やすいのが好印象。

反面、ここまでスラスラ話を進めて最後の最後まで息切れせず(ネタ切れにならず)走り続けられるのだろうかという懸念も無くはないが、そのあたりは高視聴率をキープし続ける大河ドラマのことだからきっと問題ないんだろう。

 

出演陣も豪華かつ魅力のあるキャラ揃い

登場人物のキャラ設定の上手さはさすがクドカンといったところで、このドラマはとにかく登場人物が多いのだが、それぞれにしっかりキャラが立っていて、事あるごとに画面を所狭しと動き回るもんだから、とにかく見ていて飽きない。このドタバタ感はクドカンの十八番だよなぁ。

ドンチャン騒ぎする天狗倶楽部の面々を見ているときは「さすがにこれはやりすぎだろw」「クドカンふざけすぎw」と思ったけれど、そんな思いを見透かされたかのように「こんなウザくてチャラい輩がいるわけないとお思いでしょうが、実際にいたのです」と当時の様子を写した実際の写真つきでナレーションが入ったときはさすがに笑ってしまった。完全にしてやられた。

 

それに主人公不在でしばらく物語が描かれた挙句、最後の最後でようやく現れた主人公・金栗四三を演じるのが歌舞伎役者の中村勘九郎であることを確実に意識したであろう演出として、雨で溶け落ちた紅白帽の染料が顔を赤く染め、まるで隈取りのようになっていたのは遊び心満載で素晴らしかった。

最後まで引っ張って満を持しての登場シーンであの顔アップは反則だろう。(ちなみに紅白帽の染料が溶けて顔に垂れてきたのは事実として記録に残っているのだそう。)

実写版銀魂の近藤さんをコミカルに演じていたのも記憶に新しく、きっとこのドラマでもクドカン節でクセ強めになったキャラを見事に演じてくれるのだろうという安心感もあった。

 

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どうしてもここから突然ふざけださないかソワソワするのよね

 

そしてやっぱり阿部サダヲは出るのね。「クドカン×阿部サダヲ=グループ魂」という方程式が自身のなかで確立されてしまっているもんだから、真面目な阿部サダヲが出ていてもどうしても「このあと急にハーーーン♡とか奇声をあげながら変顔し始めるんじゃねぇか…?(ドキドキ)」という期待と不安が入り混じった目で見てしまうのよね。もちろん阿部サダヲは最後の最後まで真面目だったけれど。

あとは「不可能を嘉納(可能)にしてくれる」と叫んだかどうかは定かではないけれど、嘉納治五郎を演じる役所広司もテンション高めで好きだよ。ダイワハウス!!

 

ただ一方で…

とまぁ、ここまでベタ褒めしてきたわけだけれども、一方で気になるのは前述もした『物語のテンポの早さ』だろうか。

良く言えば「テンポがよく飽きにくい」のだが、悪く言えば「内容が詰まりすぎていて目を離すと追いつけなくなる」ところが散見された。

大抵のドラマはよほどタイミングが悪くもなければ、ものの1~2分目を離した程度じゃストーリーに影響を及ぼすことはほとんどないが、いだてんはとにかく場面が切り替わるタイミングが多く、登場人物も多いため、ちょっと用事で席を立って戻ってきてみると「どこだここ!」「誰だオマエ!」みたいなことになる可能性が高いように思えた。

 

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役所広司いい役してたなぁ

 

そのうえW主演ということで、中村勘九郎サイドの話と阿部サダヲサイドの話がコロコロ入れ替わる(切り替わる)おかげで余計に忙しさを感じるようになっていたんじゃないかと思う。

幸いにも私は主要な部分を見逃すことなく見ることができたので追いつけなくなることはなかったが、ここまでの早い展開にメイン視聴者層であろうシニア世代がついてこれているのかどうか不安ではある。 

それと落語家として重要な語り手となる役にビートたけしを起用したのは、正直なところ失敗だったのでは…という思いが強い。だってさぁ…フガフガ言ってて聞き取りずらいセリフが多すぎるんだもん…。大オチに関してもあれ字幕がなかったら結構ギリギリだったぞ?ビートたけしは好きなんだけど、もうちょっと違う役もあったのでは…?という疑問は拭いきれない。

 

超豪華なドラマに今後も期待

ということでちょっとおバカで、すごくうるさくて、ときどき真面目な登場人物たちが画面狭しと暴れまわる『いだてん』は何の気なしに見てみてビックリ。かなり面白いドラマでした。

髭面の生田斗真も、すげぇ胡散臭い見た目の星野源も、役にバッチリはまってる森山未來も、すごく良かったよ。というかキャストが豪華すぎてすげぇよ。我々の受信料がばら撒かれてるよ。

日曜のちょっと憂鬱な夜は、こんなドタバタドラマを見てリラックスするのもいいのかもしれませんな。

それでは。