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【映画レビュー】ドラゴンボールファンは『ドラゴンボール超 ブロリー』を絶対に観るべき!【ネタバレあり】

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出典:ドラゴンボール超 ブロリー 公式HP

 

あーー…興奮した。

 

観終わった後の高揚感がとにかく凄まじい。ドラゴンボールの映画なんて何十年ぶりに観たんだろう。

アニメのドラゴンボール超(スーパー)はリアルタイムではほとんど見ていなくて、なんとなく『ゴクウブラック』というやつがいるとか、『力の大会』っていう惑星対抗の天下一舞踏会みたいなのが開催されてたってくらいしか知識がなかったんだけれど、それでも本作は「観てよかった。むしろ観なきゃ損。」と思わせてくれる最高の映画でした。

じゃあ具体的にどんなところが最高だったのか。手短にまとめましたんで、以下感想です。

 

すべてのキャラがしっかり活きていた

本作のメインキャラであり、史上最強の敵(今作ではライバル的な位置づけ)であるブロリーは1993年に『劇場版 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』で初登場したキャラクターで、当時デザインのみに関わっていた鳥山明がブロリーの存在をしばらく忘れていたというのは有名な小話である。

しかしブロリーはその圧倒的な強さがドラゴンボールファンたちの心を掴み、あまりの人気に翌1994年には『劇場版 ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』でまさかの復活を遂げ、同年に公開された『劇場版 ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』ではクローンとしてバイオブロリーなるドロドロの物体になってまで襲い掛かってきた。

そんな旧作のブロリーは保育器で隣に寝ていたカカロット(悟空)の泣き声に驚かされ、安眠できなかったことでカカロットを恨んでいるというクッソくだらない理由で悟空を強く憎んでいた。

その後は成長するにつれ破壊を楽しむバケモノと化し、自分の父であるパラガスを宇宙ポッドごと丸めてポイするヤンチャぶり。終盤には自我もほとんど無くなりただの殺戮マシーンとして描かれていた。

 

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やっぱブロリーかっけぇぇぇぇ!!

 

一方、今作のブロリーは一時的にサイヤ人特有の戦闘本能が暴走してしまい我を見失うが、それはパラガスに無理やり戦闘を叩き込まれたことによる弊害であるという設定が付けられ、基本的には戦いを好まない大人しい性格として描かれている。

悟空からも「お前は悪い奴じゃない」と言われていたり、自身を復讐の道具として利用していた父のパラガスについてフリーザ軍の下っ端(のちに友人となる)であるチライとレモが悪態をついたときにも「父の悪口は良くない」と嗜めたり、パラガスの死を目の当たりにしたことで感情が爆発しスーパーサイヤ人化したりと、かなり人間味のあるキャラクターになっている。

これは今作については鳥山明がキャラクター原案まで細かに務めたことによる改変なのだが、個人的にはブロリーが感情移入できるキャラになっていてかなりの良改変だったと思う。

 

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作中で最強の設定であるブロリーは素のままで十分強い 

 

また、今作はカカロット(悟空)、ベジータ、ブロリーそれぞれの生い立ちから地球で出会うまでの関係性が丁寧に描かれていた。このあたりも鳥山明がこだわった描写らしいのだが、プロローグにあたるこの部分が丁寧でかつ間延びしないよう最低限の説明に抑えていて尺の使い方が絶妙だったのもかなり評価できる。

このプロローグがあるおかげで最低限、ドラゴンボールの知識があればこれまでの話をほとんど覚えていなくても違和感なく映画の内容を楽しめるようになっている。

そのうえ、「なぜ更に力を求めるのか?」とウイスに質問をされた悟空が力の大会について言及することでアニメ版のドラゴンボール超の後の出来事であるという時系列をサラッと説明し、ブロリーと戦っている最中に悟空がいろいろあったと語りながらドラゴンボールZ時代の強敵たち(フリーザ、セル、ブウ)を思い出す演出を入れることによって、これは正史なんですよという説明も出来ていたのは見事。(旧作のブロリーはパラレルの話であるため、正史上では悟空たちがブロリーに会うのは今回が初めてになる)

 

もちろん、イキイキしていたキャラクターはサイヤ人たちだけでなく、フリーザ様が惑星ベジータを滅ぼしているシーンを久々に見せられて、久々にワルモノやってるフリーザ様に「てめぇ、こんちくしょう!サイヤ人たちが可哀想やろがワレェ!」ってなったけど、そのあとすぐにドラゴンボールを集めて叶いたい願いを部下に聞かれたときに、超不穏なBGMのなか「身長を5センチ伸ばしたい(迫真)」と低身長なのを気にしているギャグシーンをブッ込んできたのは不覚にも噴き出してしまった。

直前にブルマがドラゴンボールを集めて5歳若返りたいというしょうもない願いを叶えようとしているくだりがあってからのフリーザ様だったもんで、まさかここでギャグパートを入れてくるとは思いもしなかったよ。

また、フリーザ軍として登場したブロリーについて語っている最中に悟空に「過酷ってなんだ?」と聞かれたときも呆れつつ言葉の意味を教えてあげたりと、フリーザ様はやっぱりどこか憎めない。

かと思いきやブロリーの真の力を見たいがためにパラガスを呆気なく始末するなど、しっかり冷酷な部分も描かれていて、戦闘シーンで活躍する場面こそ少なかったけれど魅力的なキャラとして描かれていてよかった。
悟空とベジータのフュージョンの練習の時間を稼ぐためだけにブロリーのサンドバッグになってるフリーザ様(しかもゴールデンなのに)マジ不憫。
 

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バトルを観戦していただけなのに巻き込まれるフリーザ様、マジ不憫
 
それと昔のアニオリのバーダックはクール(というか冷血?)な印象が強かったのだが、今作では温和で家族想いの良いパパになってた。このパパーダックからなら温厚な悟空が産まれたのも頷ける。
それとママがしっかり描かれたのって初めてかな?ママはちょっと男勝りな感じが可愛かったからもう少し長く動いているところを見たかったなぁ。
 
そしてやっぱりピッコロさんは今回も保護者してて笑った。
なのに悟空のピンチのときのためにスタンバってるのに仙豆を持ってきていないという天然ぶりを発揮したり、悟空とベジータのフュージョンの指導を超真面目にやってるところとか、やっぱりカワイイんだよな。ピッコロさん。
 

アクションがとにかくすごい!キャラが画面を動き回る!

劇場版のドラゴンボールの醍醐味と言えば神作画でガッツンガッツンやる戦闘シーンじゃないですか。これね、今作も相当すごいです。これから観に行く人はマジで期待していい。
これ作画何枚書いたんだよ?ってくらいヌルヌル動くし、動きもいちいちカッコイイ。
後半は近年のアニメ映画よろしくCG多めになるんだけど、これがまた豪華さというか派手さを演出していてちょっとクドいくらいがちょうどよく感じてくるから不思議なんだよなぁ。これくらいドラゴンボールっぽさを意識したCG演出であれば昔の劇場版のセル画のあの感じが好きなひとも納得の出来なのでは。
 

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かめはめ波&ギャリック砲の演出マジカッコイイ
 
そして何といっても正史では初登場となるゴジータがもうとにかくカッコ良すぎて脳汁がヤバイ。これで興奮するなってほうが無理。
ゴジータはもともとは最強のサイヤ人であるブロリーを倒すために登場するはずの予定だったキャラなのだが、1995年の映画『劇場版 ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ』で初登場し、あの世で大暴れしていたジャネンバを圧倒した。
ちなみにこの映画もパラレル史であるため、今回の正史扱いであるブロリーにてようやく(20年越しに)本来の組み合わせでバトルしているところを観ることができたというのも何とも感慨深い。
ちゃんとゴジータの必殺技であるソウルパニッシャーもキメてくれたし、やっぱり動きもいちいちカッコイイし、合体戦士がドチャクソ強いという鉄板の設定もキッチリ踏襲していて少年心を掴んで離さない。ただ1つ気になったのはトドメに撃ったかめはめ波なんだけど……ゴジータってかめはめ波使ったっけ?(忘れてるだけ?)
 

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ゴジータがカッコよすぎて大人しく椅子に座ってられないよもう
 
ただ1つ、強いてバトルシーンに苦言を呈するのであれば、バトルBGMでずっと「カカロッッット!」「ブロリィー!」「ゴッジィータ!」って言ってるのクソダサいからやめてくれw
 

ドラゴンボールファンなら絶対に観に行くべき

ということで1時間40分の上映時間である本作についてすべて語りつくそうと思うと1万字コースなのでこの辺で落ち着きますかね。
 
それにしても前述もした通り、本作に出てくるキーキャラクターたちってみんな本当にイキイキしていて、辺境の惑星で長らく生き延びていたパラガスとブロリーを見つけたフリーザ軍のモブキャラかと思っていたチライとレモという何星人かも分からんような奴らがまさかここまで本編にガッツリ絡んでくるとは思わなかったw
まぁ声優が水樹奈々と杉田智和って時点でそれなりにセリフのあるキャラクターなんだろうとは思っていたけれど、ブロリーの良き理解者として、そして保護者代理として最後の最後まで密接に絡んでくるんだから、やっぱ見た目で判断しちゃいけないよな。うん。
 

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こんなん絶対ただのモブキャラだと思うじゃん?
 
ちなみに見間違いじゃなければ最後のシーンではブロリーの腰に巻いている毛皮が無くなっていたような気がするが、この毛皮は辺境の惑星で初めてできた友達(獣の原生生物で、パラガスのせいで仲違いしてしまった)のものだといって大事にしていたもの。
それを手離したのであれば、『もう毛皮は必要ない=チライとレモを友達として信頼している』という描写だったんじゃないかと。
そう思うと戦闘特性が高すぎるが故に赤ん坊のころから命を狙われ、無理やり戦闘体性を鍛えられ、挙句に父まで亡くすという悲劇的なキャラクターであるブロリーがラストシーンで穏やかな表情をしていたところにグッとくるよなぁ…。
昔のブロリーなら有無を言わさず殺されてたけど、今回はかなり同情できるキャラであったもんであの落としどころがベストだったんじゃないかと思う。考え得る限りのハッピーエンドだったね。
 
そしてもう1つ感慨深いといえば、最後の最後にチライに名前を聞かれた悟空が名乗るときに自分自身のことを「孫悟空だ……そして、カカロット」と言ったのが個人的にはグッときたなぁ。
昔はカカロットと呼ばれても「オラはそんな名前じゃねぇ!孫悟空だ!」と嫌がっていたのに、様々な修羅場を潜り抜けて精神的に達観した悟空が、ブロリーを心を許すことのできるサイヤ人、そして同じ時期に保育器に入っていた仲間(というのをきっとどこかで聞いたと仮定して)であるサイヤ人だからこそ、カカロットと名乗ったんじゃないかと想像するともうね…。うん。
ちなみにここのラストシーンの名乗った直後に瞬間移動して、その残像からそのままエンドロールに入る演出もぞっくぞくした。マジで最後の最後まで興奮させんでくれ。背中の汗がヤバい。
 

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この作画よ。もうウットリするでしょ。
 
ということでドラゴンボールファンはこれを観ない手はないです。マジで。
野沢雅子さんもメチャクチャ声出てたし、堀川りょう、中尾隆聖、古川登志夫といったメインキャラの声優はもちろんのこと、ブロリー役の島田敏さんが当時のままの叫び声(むしろパワーアップしてるまである)が出ることにも驚くこと間違いなし。
 三浦大知の主題歌も本編を観終わったあとに聴くと、普通に聴くよりカッコよさ3倍界王拳でカラダがもちません。全身全霊をかけて観に行きましょう。それでは。