【ドラマ感想】『獣になれない私たち』が最後の最後まで好きになれなかった私たち
出典：獣になれない私たち｜日本テレビ 【公式】獣になれない私たちさん(@kemo_nare_ntv) • Instagram
以前、あまりに山積みの問題を抱えたまま後半戦に突入したのをこんなふうにDisったんですが案の定、駆け足で、雑で、投げっぱなしジャーマンな終わり方をしやがりました。こんちくしょう。
以下、最終回までのまとめた感想です。
いろいろと雑だった8話
忙しい人のための8話振り返り
はーい、先週の晶さんは～？（軽快なBGM）
～中略～
ネトゲニート女、就職する
恒星、兄と和解
カイジ、まさかの一発屋
の３本です♪それではまた来週も見てくださいね～♪
ジャン・ケン・ポンッ！ ウフフフフ（´◉◞౪◟◉)
もう少し時間のある人のための8話振り返り
さて、まずは8話の感想なんですが。もうね、8話のぶん投げっぷりというか雑っぷりというか、とにかく酷いもんだった。
黒木華演じるネオニートネトゲ中毒軽犯罪糞女が、ガッキーの勤めるブラック企業になぜか入社してガッキーと仲良くなるんだけど、割とあっけなく入社して、なんか上手いことやれちゃっていた。
えーっと…やたらリアリティを重視するくせにこういうところはザ・フィクションなんだなぁと…。前職で精神的にやられて引きこもりニートと化した彼女があの環境に耐えられるとは到底思わないが。
黒木華の自身なさげな表情すき
そしてまぁ残りの問題についてもお粗末な内容で、まず松田龍平演じる会計士・税理士の恒星まわりの問題がことごとくショボくて笑った。
ヘルプで入っている会社の汚職告発に巻き込まれたかと思いきやその件は特に進展を見せずフェードアウトするし、あんなに因縁の関係っぽく描かれていた兄とはちょっと本音をぶつけ合って喧嘩をしたらあっけなく仲直りする始末。ついでに離婚の危機に陥っていた兄もあっさり妻に迎え入れられめでたしめでたし…ってマジかよ。
当初は離婚届を出してほしいと言っていた兄妻が、いざ本人を目の当たりにして涙ながらに迎え入れるまでの心理描写も皆無だったし、振り返ってみれば兄弟の確執も昔から優秀でプライドの高かった兄をありがた迷惑的に弟が救ったことで兄のプライドが傷つけられて仲が悪くなってましたってだけの話で、数話に渡って引っ張るようなもんでもなかった。
更に言うと間接的にではあるが兄を助けるために粉飾決算に加担した、そのしっぺ返しで恒星は今も悩まされているというバックボーン以外は１ミリも本筋に関係のない話だった。マジで兄貴の私生活のくだりとかいらんかったやろ。
そして極めつけは、散々登場シーンを引っ張った『橘カイジ』という人物の扱いがあまりにも雑すぎた。
満を持して登場したカイジを演じるのはお笑いコンビ・ずんの飯尾和樹。
飯尾さんメチャクチャ好きなんですよ。あの落ち着いた人柄と、飄々と繰り出されるシュールな笑いのギャップが癖になるベテランなんですけど、そんな飯尾さんがドラマだと！？どんな演技をするんだ！！？
と思ったらただの飯尾さんだった。
嘘だろ？てっきり後半戦のキーマンになり得る人物なのかと思ってたら、全っっ然キーマンでもなんでもなかった。呉羽（菊地凛子）の良き理解者。それ以上でも以下でもなかった。
なにより、「ジャーン！みなさんお待ちかねの橘カイジの正体は飯尾さんでしたー！どや？？おもろいやろ？？？」っていう勢いだけで正面から殴りかかってくるストロングスタイルだと思わないじゃん。
おぉ！飯尾さんか！これからどんな活躍するんだ！？と思ったらまさか登場シーンがピークだったなんて思わないじゃん。これマジでクソほどすべってた。絶対現場でも不評だったろ。飯尾さんの無駄遣いやめろや。
飯尾さんはいつも通りの飯尾さんだった
とうとう風呂敷を畳むのを諦めた9話
さて、ここまで積むだけ積んで放置してきた問題をいよいよ解決しようとラストスパートをかける9話。
のはずだったんだけど、ガッキーは相変わらずブラック企業で苦しみ、ついでに黒木華もやられ、松田龍平は粉飾決算に加担することから足を洗えず、田中圭はよくわからん。そんな9話だった。
ここラブラブカップル
9話についてはマジでなんも書くことねぇ。話が進展もしなければ、過去の問題が清算できたわけでもなく、最終回への盛り上がりもなかった。
強いて言えば、ガッキーと松田龍平が仕事で心身ともにボロボロに弱ったところでお互いを慰めあうように一夜の過ちを犯してしまったことくらいだろうか。
うわーー！！ガッキーがチューしたぁぁぁぁ！！！しっ、しかもベッドシーンだぁぁぁぁぁぁぁ！！！！おのれ松田龍平ぃぃぃぃぃぃ！！！！！
が9話の全てでした。
ていうかこれ以上問題を増やしてどうするよ。もう風呂敷たたむの諦めたんだね？いよいよ俺たちの戦いはこれからだエンドでいくことを決めたんだね？
結局何が言いたいのか分からなかった10話
そして来たる12月12日に最終回が放送され、ここまでの総まとめとして綺麗に終われるかどうかが見ものとなった１時間。結論から言うと「（全話見たのは）時間の無駄だったな」でした。
けもなれは最終回が終わった時点で平均視聴率が8.3％だったそうで、大ヒットと言われた『逃げ恥』が14%オーバーを叩き出していたのと比べると見事に爆死したのが分かる。なんなら8.3%のうち3%くらいはガッキー効果で持ってたようなもんだろ。
ガッキーは最終回も相変わらずパワハラ社長に怯える（というか言いたいことも言えず悶々とする）日々。パワハラ社長に対抗しようとするも呆気なく返り討ちにされ、2日ほど仮病を使った後に退職届を出して終わり。
えーーーーっと？？？？？これで終わり？？？？？？？パワハラ社長に対する「倍返しだッッッ！！！！！」みたいな痛快な逆転劇とかはないの？？？？？？我慢するだけ我慢して「自分が死ぬ前にやめます」とか当たり前のことを言って逃げておしまい？？？？？？えっと……それ、１話で出来たのでは？
こんな風に和気あいあいとしたオフィスを見たかったよ
それに松田龍平も結局、ヘルプで通っていた企業での内部告発（横領事件）については何もできずただ黙っているだけ。告発したオッサンは頭がおかしくなった扱いを受け自主退職せざるを得なくなるという誰も得をしない結末。この件ぜってぇいらなかっただろうよ。だったらもっと掘り下げるとこあったじゃんか。
また、粉飾決算にこれ以上加担することに嫌気が刺した結果、自分を脅していたヤツが会議をしている最中に会議室に乗り込み、汚いお金と粉飾決算の書類を叩きつけ、一発ぶん殴って逃げるというこれまでの恒星のクールさが微塵も感じられない急展開。
逃げ出すときにワルガキみたいな顔してた松田龍平にちょっと萌えたけど、一皮むけた結果キャラが崩壊しちゃうというビンボーくじを引かされた恒星（および松田龍平）が、なんだかいたたまれなくなってしまった。
そしてこの後に及んでガッキーと松田龍平が勢いで寝ちゃった昨夜の後悔をし始めてまたゴチャゴチャするわ、田中美佐子演じるバカ親が乗り込んできてメチャクチャになるわ、菊地凛子の男関係の悪さが仇となって謝罪会見をすることになっても結局開き直って海外逃亡を決め込む（飯尾さんの出番を無理やり作ったようにしか見えない）わとストーリーをグッチャグチャにかき回し、挙句にいろいろな因縁・確執のある登場人物たちも最終的にはtapでビールを飲めばみんな幸せ！酒は正義！ビール最高！みたいな、もう「めんどくさくなったからフラグは全部丸めてゴミ箱にポイ！」的なやっつけ感と「最終回だしオールスター感謝祭したろ！全員集合したら盛り上がるやろ！」的な浅い考えが透けて見えて、終始ゲロ吐きそうになりながらも頑張って見てました。
これなんて苦行だよ。これ最終回だよな？まさかの２クールとかじゃないんだよな？一体俺は何を見せられてるんだよ。そんな第10話だった。
ありがとう、タクラマカン斎藤。あなただけが癒しでした。
ラブかもしれないストーリーとはいったい
さて、最終回まで見て分かったこと。それはこのドラマは膨大な予算と時間をかけた、壮大なビールのCMでした。ということ。
このドラマから得られたのはビールを飲みたくなったということと、ストレスにやられてゲッソリしていてもやっぱりガッキーは可愛かったと再認識できたこと。そして松田龍平のことが好きになれたこと。うん。改めて松田龍平はいい俳優だと確認できた。演技に嫌味がないというか、良い意味で変な癖がないというか。
時間の無駄なのでこのドラマは見なくていいと以前の記事で述べたのだが、実はちょっとだけ、本当にちょっとだけ大逆転パターンでメッチャクチャ面白くなって、今までボロクソ言ったことを全て土下座しながら謝罪したくなるのを期待していたのだけれど、最初から最後まで予想し得る限りのクソストーリーでマジで時間の無駄でした。
はぁ、こんなんだったら撮りだめてるアニメ消化しちゃえばよかったなぁ。
俺もガッキーに手を握ってもらいたい！俺もガッキーに手を握ってもらいたい！ （大事なことなので）
あ、ちなみに最終回後の公式Instagramには「最高の笑顔 3か月ありがとう」という言葉と共にガッキーと松田龍平が「最後のがうポーズ」を投稿していたのだけれど…
View this post on Instagram最高の笑顔😆 ３か月ありがとう✨ #新垣結衣 #松田龍平 #最後のがうポーズ #ふたりの未来み届けて #獣になれない私たち #けもなれ #いよいよ今夜10時オンエア
あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁああぁぁ…！あ゛あぁっ…！！う゛ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…！！！！ガッキーかわいい゛ぃぃぃぃい゛い゛ぃぃぃぃいい゛！！！！！！！
もうこれだけで満足です。
