【アニメ感想】ケムリクサのストーリーが気になりすぎて1週間が長く感じるんですよ
2017年最もアニメ界隈を騒がせ、多くのフレンズ(信者)を生み出した伝説のアニメ『けものフレンズ』の監督・脚本・その他もろもろを務めた、たつき氏の新作が2019年に放送を開始した。
本作はたつき氏がけものフレンズで脚光を浴びるより前に自主制作アニメとしてニコニコ動画などを中心にひっそりと発表していたもの。それがいよいよテレビアニメ化されたということで、たつきファンおよび一部のアニメマイスターからは放送前から期待の声が上がっていた。
ダークな雰囲気がカッコいいキービジュアル
一方、同じく2019年1月から『けものフレンズ2』が放送されているが、けものフレンズ2の制作から突如、たつき、およびヤオヨロズ(たつきほか数名が立ち上げたアニメーション制作会社)が降板することとなり、ネットでは大きな騒動となったのも記憶に新しい。
当時は事態の真相を巡った憶測やファンの阿鼻叫喚が飛び交い、さらに火に油を注ぐ形で関係各所からのコメントやインターネット炎上マンたちの燃料投下が重なったことで、それはもう凄まじい勢いで多方面にこの問題が燃え広がったのだが、偶然なのか、はたまた意図してなのか、2019年早々にたつき氏は自身の名前を広く知らしめるキッカケになった大出世作の続編と真っ向勝負することとなった。
もう自身が在籍していない過去の出世作(の続編)と全く同じ時期に、しかも3Dアニメで真っ向勝負するとかいうシチュエーションだけでもう既に面白い(話題性・掴みはバッチリ)のだが、そんなたつき氏が手掛ける『ケムリクサ』を第3話まで視聴したので、現時点での感想を述べていきたいと思う。
先の展開が読めない楽しさ
たつき監督が多くのアニメファンから支持を得た理由の1つとして、「独特な世界観」で描かれるストーリーが視聴者の「これはどういう物語なんだろう?」「このあとどうなるんだろう?」という興味を引くものになっているからであると思っている。
というのも、『けものフレンズ』では視聴者の反応が話数を追うごとにどんどん好意的になっていくという実に面白い現象が見られたが、ストーリー構成のしかたが『けものフレンズ』と『ケムリクサ』で似ている(回を追うごとに設定が徐々に小出しにされていく=最初の1,2話はサッパリ意味が分からない)と感じたからで、おそらく本作についても回を追って全貌が見えてくれば見えてくるほどに同様の盛り上がり方をしていくんじゃないかと思っている。
わかばくんのことを想うと顔が熱くなって胸がドキドキする凛ちゃん
もっとも、たつき氏自身がほぼ世間に認知されていなかった『けものフレンズ』と、広く名前が知れ渡りファンを獲得した今の『ケムリクサ』では土俵が違うだろうし、ポップでキュートでハートフルなフレンズたちの冒険を描く物語と、終始ダークな世界観のなかで未知の世界をサバイバルしていく物語では評価の指標も変わってくることは間違いないだろう。
とは言え、冒頭数話では不明な点が多く、先の展開が予測しにくいストーリーであることや、キーマンがどこからともなく迷い込んだ人間(作中ではヒトと呼ばれる)であることなど共通点も多く、もしかするとこれがたつき流の黄金パターンなのかもしれない。
もしかしたら前々から構想を練っていたケムリクサのストーリー構成を一部けものフレンズで試していたのかも…?
良くも悪くもクセの強いアニメ
ヤオヨロズが制作する3Dアニメの特徴として「キャラクターがほんのり不気味」「動きがカクカク」などが挙げられるが、この適度に最先端の技術を取り入れすぎないところが大人にはFLASH黄金時代を思い出させ、若者にはある種の目新しさを植え付けているのではないかと思う。(褒めてます)
けものフレンズやケムリクサを見ていると「なんか出来の良いPS2のゲームをやってるみたいだな」という印象を随所から受けるのだが、この独特の感じがまた癖になるという人もきっと多いんじゃないだろうか。
逆に言うと、このご時世、無料で遊べるソシャゲですら超美麗なグラフィックなどが当たり前のように堪能でき、ヌルヌル動く戦闘シーンなどを売りにしているものも多いまさにクオリティ至上主義なところもあるがゆえに、ハマらない人にはとことんハマらないのだと思う。
個人的にはこの人を選ぶヤオヨロズのアニメーションは結構好きだし、下手に万人受けを狙って波風が全く立たないくらいなら好き嫌いがハッキリ分かれるほうがいいんじゃないだろうか。
突如現れた謎の青年わかばくんの正体とは?
ということで、ストーリーもさることながらキャラの見た目や演出などもいささかトリッキーな作風であるため、「ケムリクサなんか良さそうじゃん!気に入ったじゃん!」という人とは、是非一度ゆっくりと酒でも飲みながらアニメ談義をしたいところだ。
今後の展開が楽しみ
前述したとおり、先の展開がまだまだ見えない本作。
自主製作版ではサクッと出てきてはすぐ退場していた姉妹が数人いたが、テレビアニメ版では名前こそ出てくるものの実際に登場するのはまだまだ先のことになりそうで…。
エンディングでシルエットは確認できるのでそのうち出てくるんだろうと思うし、あの姉妹がいったい何者なのか、どういう関係性なのか、どこを目指しているのかなども徐々に明かされていくのだろう。
それにわかばくんは一体何者で、なぜあの世界にやってきたのか。どういったところも徐々に明かされていってどんな結末を迎えるのか。
いやぁ、まだまだ分からないことだらけ。魅力的なキャラクターたちの今後の活躍も気になるし、凛(りん)の恋心(?)の行方も気になる…!
いやはや、これからの展開が楽しみですなぁ。