よくみれば雑食

よくみれば雑食

雑食系男子が日々の出来事やお役立ち情報、気になる話題など幅広く書いてます

【映画レビュー】『アクアマン』で王道の英雄ムービーに酔いしれろ!【ちょっとネタバレ】

 f:id:ricaldent1990:20190211213621p:plain

出典: 映画『アクアマン』オフィシャルサイト

 

DCフィルムのヒーローたちってどこかこう、闇を抱えていたり人間性に問題があったりと一癖も二癖もありそうなやつらばっかりだと思ってたんですけど、アクアマンは人間とアトランティス人のハーフということを除けば両親想いの良い兄ちゃんですごく親しみやすいキャラクターでした。

…え?その設定が既にクセが強すぎるだろって?

まぁ細かいことはいいじゃないですか。アクアマン、王道のヒーロームービーで面白かったんだし。ということで以下感想です。

 

構図はMARVELのブラックパンサーと似ている?

さて、そもそも本作の主人公であるアクアマンとはいったい何者なのかというところから説明をすると、ある嵐の日に灯台守のトーマスはケガをして岩場に打ち上げられている女性を見つけ、その女性を助けるところから物語は始まる。

ケガが回復した後、女性は海底大帝国アトランティスの女王・アトランナと名乗る。そしてアトランナは政略結婚から命からがら逃げだしてきたことを話す。

こうして普通なら決して出会うはずのなかった2人は徐々に惹かれあい、念願の子を授かった。子の名前はアーサー。2人は念願の子宝にも恵まれ、まさに幸せの絶頂だった。

がしかし、そんな幸せは長くは続かない。ある日アトランティスの軍隊がアトランナを国家反逆罪の罪で連れ戻しに来たのだ。

なんとかその場は切り抜けたものの、自分がこのままここにいてはトーマスにもアーサーにも危害が及ぶと悟ったアトランナはアトランティスへ帰ることを決意する。

混乱の最中にある海底帝国の治安が収まったときには必ずここへ帰ってくるとトーマスとアーサーに別れを告げ、アトランナは海へと帰っていった。

それから20年の時が過ぎ、アーサーはアクアマン(別名:フィッシュマン)として人知れず海を治安を守っていたのだが…。

というのが本作のあらすじであり、アクアマンとは何者ぞという部分の説明になっている。

 

f:id:ricaldent1990:20190211213750j:plain

美しいアトランナ。ちなみに吹替の声優は沢城みゆきで声も美しい。 

 

まず本作を通して感じたのは、アーサー(=アクアマン)は両親想いで海と陸の平和を愛し、ちょっと不器用なところもあるけど根は心優しい男という描かれ方をしていたということ。

初対面の人にも始めのうちは「なんだこいつ…」という警戒心を見せることもあるが、ひとたび意気投合すれば大笑いしながらビールを一緒に飲み明かすようなお茶目な一面も見せる。

当然、子供の頃に魚と意思の疎通ができるということが分かった場面では周りの人たちに引かれている(恐れられている?)ような描写もあったし、傷つくことも多々あったのだろうけどれど、本作ではそのあたりの闇の部分はほとんど描かれていない。

むしろ師匠であるアトランティス人のバルコとの出会いでたくましい男の子に成長していく過程が前面に押し出されていたことを考えると、アクアマンはDCシリーズのなかでも、闇の部分を見せない正統派のヒーローとして描きたかったんじゃないかという制作陣の想いが伝わってくる。

 

だがここで疑問なのは、2017年に公開されたDCコミックのヒーローたちが集結した映画『ジャスティス・リーグ』に登場したときのアクアマンは、もう少しぶっきらぼうというか、人を信用していないというか、天涯孤独で頑固者という感じがしたんだけど、だいぶ性格に違いがあるような…?

それに確かあの時点では既に海の王になってたような気もするし、そう考えるとジャスティス・リーグはパラレルストーリーとして理解するのが正しい見方なのかなぁ?誰かこのあたり詳しい人いたら教えてください。ググってもよく分からなかったので。

 

f:id:ricaldent1990:20190211213906j:plain

見た目に反して心優しいアクアマン 

 

そして本作はストーリーも実に分かりやすく、起承転結もハッキリしているため王道のヒーロームービーとして気軽に楽しめる。

人間とアトランティス人の間に生まれたアーサーは海底では半海底人と罵られ、落ちこぼれというレッテルを貼られている。そんなアーサーはどこにいっても「半海底人の出来そこない」「王の資格はない」と蔑まれるのだが、バルコ、メラ、アトランナといった理解者たちの協力のもと、真の海の王者として覚醒していくという成り上がりストーリーは王道ながらもその熱さに思わず惹き込まれた。

そして実は海底帝国はいくつかあり、その帝国間での統治的な問題があったり、実は多くの市民が知らないところでひっそりと地上軍とバチバチに対立していたり、アーサーの異父兄弟であり弟のオーム王と王の座を巡る争いをしたりと、政治的な側面がストーリーに絡んでくるのも、マーベルシリーズで歴代最高の大ヒットを記録した『ブラックパンサー』にどこか通ずるところがあって、単純ながらも壮大な物語になっている。(そのおかげなのか、アクアマンもDCシリーズ歴代最高の興行成績を収めている)

 

爆発はシーン切り替えの合図

本作が気軽に観れる理由は物語がシンプルであるという理由とあわせて、どこかちょっと間が抜けているからということもあると思っていて。

アクアマンはその人柄の明るさから言動がコメディ寄りになることが多々ある。それは例えシリアスな場面でも例外ではなく、油断したときに思わずクスッとできる場面が入ることでストーリーが重くなりすぎず適度に息抜きしながら楽しめるようになっている。こんなに本編のなかにコメディ要素が混ざってくるDC映画は恐らく初めてなんじゃないかな。

 

f:id:ricaldent1990:20190211214109j:plain

真面目な話をしていてもちょいちょいふざけるアクアマンに呆れるメラ 

 

また、本作のシーンの切り替えの分かりやすい合図として「爆破オチ」が多用されているのも笑える。

トーマスとアトランナが幸せな家庭を築いていると思いきや爆発し、アクアマンの仲間たちがオーム王の暴走を止めるべく密かに作戦会議をしている最中にも爆発し、アクアマンとメラがいい雰囲気になってきてキスするか…!おおう、キスするのか…!?こんな風情のある街中でロマンチックなキス……はできずにやっぱり爆発する。

さすがにこれだけ多用されると爆発が「はい!次の展開にいきまーす!」という合図になっているのだと察したし、挙句には次はいつどこのシーンで爆発するのかとソワソワしつつ、次の爆破を期待している自分がいた。

爆発オチなんてサイテー!(AA略)

 

家族連れで是非どうぞ

ということで、適度に笑えてカッコいいシーンではしっかりカッコいいアクアマンは家族連れにもぴったりの王道のヒーロームービーでした。

最後の最後に続編を匂わせるようなシーンもあったけれど…この詳細は是非劇場で自身の目で確かめてください。

それでは。