【映画レビュー】ストレスだらけの現代人は『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』を観て笑ったほうがいい【ちょっとネタバレ】
出典:映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』公式サイト
ストレス大国である現代の日本で生きているとだんだん心が荒んできませんか?荒んできますよね?いや、みなまで言うな。荒んでます。あなた、荒んでます。
そんな荒んだ心に潤いを与える方法、癒す方法はいくつかあるけれど、そのなかでも映画鑑賞って非日常感を気軽に味わえて、気分をリフレッシュするのにもってこいだと思うんです。
じゃあ、一口に映画とは言っても何を観れば良いのか。荒んだ心に潤いを与えてくれる映画って何なのか。……奥さん、いいのありました。
ということで今回はあまりのバカバカしさに心が和らぐ映画の感想です。
ローワン・アトキンソンの顔芸は健在
ハチャメチャなスパイ、ジョニー・イングリッシュが巻き起こすアクション(?)コメディムービーの最新作である『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』を観てきました。
今回はジョニー・イングリッシュが所属していたMI7が何者かからサイバー攻撃を受け、所属エージェントたち全員がまさかの顔バレしちゃうというところから物語が始まる。
さらにロンドン各地にも同じくサイバー攻撃が仕掛けられ、G12サミット(国際会議)を間近に控えたイギリス首相はストレスで寿命がマッハ。この危機を救うべく、既に引退したスパイたちが招集される。
一方その頃、エージェントを引退したジョニー・イングリッシュは学校の先生(地理の教師)になっていて、なぜかスパイ技術を教えてくれる面白教師ということで人気者になっていた。
そんなジョニーにも召集はかかり、まぁ、あの後なんやかんやあって優秀そうな元スパイたちが退場してしまったため、結局残ったジョニー・イングリッシュがサイバー攻撃の犯人を見つけ出すミッションを遂行することになる…というお話。
諜報機関らしからぬガバガバセキュリティって時点で既にもう面白いのだが、急遽呼び出されたOBたちのなかにジョニー・イングリッシュがいてドタバタした挙句なんだかんだでミッションを任されちゃうっていう設定がもう、往年のMr.ビーンのドタバタ展開っぽさを思い出させて最高に面白かった。(それと同時にちょっとノスタルジックにもなった)
このとぼけた顔すげぇいいよなぁ
主役を演じたローワン・アトキンソンもなんと63歳。
Mr.ビーンの頃に見たキレのある動きは今作でも健在だったけれど、実はアクションシーンなどでは苦労も絶えなかったそうだ。それでも全く衰えを感じさせないのはさすがですわ。
現代社会を皮肉ったような内容も面白い
さて、今回の潜入捜査で役に立つのは、昔ながらのSF映画に出てきそうなアナログなスパイ装備たち。
近代の技術を集結させたハイテクなスパイアイテムの仕様をことごとく拒み、移動もボンドカーでお馴染みのアストンマーティンというこだわり。まぁ、VRでの訓練は面白そうで良かったけども。
仮想現実とはなんだったのか
この現代のハイテク化した都市がひとたび沈黙したところに、アナログなジョニー・イングリッシュが大活躍する様子がちょっと皮肉めいたメッセージも感じさせつつ、終始コメディをやっているので嫌味が全くないのもポイント高め。
とにかくドジなジョニー・イングリッシュが画面中をドタバタしている様はパロディ元となっている007のクールさ、渋さ、カッコよさとは全く似ても似つかないのだが、それがまたとてつもなく愛おしかった。
意外とちゃんとスパイ映画してます
じゃあスパイを題材にして、ただドタバタしているだけの中身のない映画なのかと言うと、実は結構まともにスパイアクションをしていて普通にスパイ映画として楽しめちゃうからこれがまたすごい。
コメディ部分とマジメ部分のバランスがよくて、要所要所でしっかり笑えつつ観終わったあとはしっかりとストーリーを楽しめた満足感もあって、正直あまり話題になってなかったけれど、これ実はかなりの良作だったんじゃないだろうか。
カーチェイスもあのシーンだけ切り取ったら『ジョニー・イングリッシュ』シリーズとは思わないんじゃないかというほど迫力満載だったし。(まぁローワン・アトキンソンがいる時点で察しはつくかもしれないけれど)
このシーンだけ見たら007の新作かと思うよね
ちなみに公式サイトに「無駄に豪華すぎる女優陣」と書いてあったんでキャストを調べてみたら女優陣どころか俳優陣もとんでもない人たちだらけだった。
まず謎の美女を演じたオルガ・キュリレンコは本家本元『007 慰めの報酬』のボンドガールを演じているし、早々に退場したOBのスパイたちはそれぞれ『ハリー・ポッター』シリーズのダンブルドア校長、『007 ユア・アイズ・オンリー』で007に銃を向ける強敵、『ジャッカルの日』の主役である暗殺者のジャッカルと、ちょい役に使うにはあまりにも勿体無い名俳優たちだった。なんて無駄に豪華すぎるんだ…。
ということで、無駄に豪華すぎるキャストを揃え、コメディ映画なのにアクションもキッチリかっこよくて、ストーリーもしっかり面白い本作で2018年の最後にもう一笑い、どうでしょうか。