よくみれば雑食

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【映画レビュー】『ボヘミアン・ラプソディ』すっげぇ映画でした。だってたったの1800円で伝説のライブが味わえるんだよ【ちょっとネタバレ】

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 出典:映画『ボヘミアン・ラプソディ』公式サイト 大ヒット上映中!

 

映画館に行く楽しみの1つって新作の告知映像を観ることじゃないですか。

うおー!これ面白そー!ってのをあの大画面で味わうのがすごく好きで。

え?予告なんてYoutubeでも同じものが見れるじゃないかって?え?それマジで言ってる?いやいやいや、ちがう。全っ然ちがうよ。あの大画面と音響で観る予告編って脳が痺れるのよ。

そんななかでこれ見よがしに流れる大音量の『We Will Rock You』や『We Are The Champions』。

んでもってフレディ・マーキュリーの背後からカメラがバーン!超満員の客席ドーン!みたいな超絶カッコいい映像を見せられたらさ…。気になるじゃない。

てことでQueenに関しては超絶にわかな私が観てきた感想を率直に申し上げます。

 

凄かった!!!!!(もちろんいい意味で)

 

にわかだろうが関係ねぇ!すべてを飲み込む圧倒的迫力!

いきなり一番いいシーン、最高に盛り上がる瞬間の話をしちゃうんですけど、本編のシメとなるラスト21分のライブシーン。この迫力が凄まじいのなんのって。

これもうただのライブです。たったの1800円で特等席、音響バッチリ、しかも伝説のバンドのライブを楽しめるとかすごくないですか?すごいですよね。だって隣のジジイも興奮して口ずさんでたもん。分かるよ、ジジイ。俺も立ち上がって拳を突き上げたい。

これは「1億人の飢餓を救う」「アフリカ難民救済」といったテーマのもと行われた『Live Aid(ライヴ エイド)』という、今もなお伝説として語り継がれるチャリティーライブの一幕を再現したものなのだが、正直この21分間を観るためだけに劇場に足を運んでもいいレベル。

 

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俺の歌を聞けぇぇぇ!!!

 

物語は1970年代から活動を始め、伝説のバンドと語り継がれるようになるまでの彼らの軌跡を描いていて、彼らを取り巻く人間関係やリードボーカルを務めるフレディ・マーキュリーの苦悩、そして様々な苦難を乗り越えた先にある栄光を掴み取るまで、そしてそれらを全て受け止めたうえで観る最後のライヴシーン。マジで鳥肌が立ちすぎて鳥になるかと思った。

もちろん本作を観るうえで最も注目すべきはこのライヴシーンで間違いないのだが、それと同じくらいフレディ・マーキュリーという人物についても深く知ることができて、スクリーンから目を離す間もないほど濃厚な内容になっている。(実際には映画用にいくつか脚色されていたり、時系列が前後する部分もあるようだが)

 

ちなみに、冒頭にも述べたように私はQueenというバンドについてあまり詳しくない。強いて言えば、フレディ・マーキュリーという人物についての最低限の知識(全盛期のなかエイズによる肺炎で死去したこと、バイセクシャルであったことなど)とQueenの有名な曲は聴いたことがあるくらいのものだ。

しかし、そんなにわか中のにわかの私でも鳥肌が立つほどにこの映画の持つパワーは凄まじい。

けれども実はちょっと後悔していることもあって、それはQueenというバンド、そしてメンバーたちについてもっと事前に調べておけば、少なくとも3割増しで楽しめたに違いないと思うこと。映画を観た後にいろいろと調べて、そこで初めて再現度がここまで高かったのかということを知った。

なのでこれから本作を観に行こうと考えている人については、ちょっとだけでもいいからQueenというバンドについて知識を入れてから劇場へ足を運ぶことをオススメしたい。

 

ドキュメンタリー映画を観ているようなリアリティ

じゃあなんでこんなにも映像に迫力が出るのか、どうしてここまで物語に惹き込まれるのかを考えてみたときに真っ先に思い当たるのは、Queenのメンバーを演じる役者たちの熱演が素晴らしかったこと。

役者がその役にバチッとハマることを「(本人が)憑依する」なんて言うけれど、メンバーを演じた4人には間違いなく本人が憑依していた。

ちょっとした仕草や癖など、一挙手一投足すべてがそのまま再現されているんじゃないかと思うほどのリアリティ。上映開始数十分で「あれ?これドキュメンタリー映画だっけ?」となったのはきっと私だけじゃないはず。

そのうえライブの音声や歌声などはすべて本人たちの音源を使用しているとのことで、リアリティとあわせて臨場感も物凄いことになっている。

もはやただのライブビューイングです、これ。再現度が高いとか低いとかいう次元の映像じゃない。

観終わったあとの感覚は「Queenが主役の映画を観てきた」じゃなくて「Queenのライブに行ってきた」です。映画館から出たときに「あれ?俺なんで日本にいるんだ?」ってなったもん。

 

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この幸せなシーンよ…

 

また、あの有名な曲がこんな風にして生まれたのか…!というQueenというバンドを深く知ることのできるエピソードも盛りだくさん。

それこそ本作のタイトルにもなっている『ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody』もその演奏時間の長さゆえ、当初は所属するレコード会社と揉めたこと、そしてメンバー一丸となって愛を注いだことにより多くの人々に愛される楽曲になったことなども詳しく語られている。(ちなみに2002年にギネス・ワールド・レコーズ社が約3万人を対象に取ったアンケートではジョン・レノンの「イマジン」や、ビートルズの「ヘイ・ジュード」、「イエスタディ」を抑えて『英国史上最高のシングル曲』部門で1位に選ばれている。)

 

2018年の映画のなかではかなり満足度の高い作品でした

この映画、とにかくお得感がすごいんですよ。ここんところ1000円くらいの価値の映画(※あくまで個人の感想です)が多くてちょっとガッカリ続きだったけれど、正直この映画には3000円出してもいいです。とにかくそのくらい観終わった後の充実感がすごい。

だって冷静に考えればアーティストのワンマンライブとか行ったら約3時間の公演で7000~8000円くらい取られるじゃないですか。それがあの伝説のロックバンドの伝説のラストライブが1800円で体感できる。コスパがヤバい。

 

Queenという伝説のバンドの誕生秘話、フレディ・マーキュリーという一人の男の生きざま、ファン悶絶ものの大ヒット曲メドレー、これだけ内容が詰まってて最後の最後に伝説のライブ完全再現ときたもんだ。こんなん面白くないわけがない。

作中で最初に流れる曲の『Somebady to love』のタイトルの通り、愛することのできる誰かを求めるフレディの苦悩、それを取り巻く家族の物語、バンドメンバーたちの絆をしっかり描きつつ、『We Are the Champions』に痺れる。

この曲は発売してすぐにイギリスのマスコミから「俺たちこそがチャンピオンだと!?ナメんな!」と大バッシングを浴びたという逸話があるそうだが、本作を見たうえで聴くとそんな横柄な曲名じゃないことはすぐにわかる。むしろ「俺たち(全世界の人たち1人1人)がチャンピオンだ!」というエールを届ける曲なんだと思う。

 

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この力強いシーン!圧巻!

 

そして紆余曲折あり再結成したQueen、病気を告白したフレディとそれをしっかり受け止めるメンバーたちの心情、そして本番当日、危惧された喉の調子もよく渾身の力を込めて高らかに歌い上げるフレディとそれを温かく見守るメンバーたち。不覚にもグッときました。

そして最高に盛り上がったところでスパッと終わる本作、マジで最高です。

平成最後の冬、本作を観てじんわり心を温めてはいかがでしょうか。それでは。

 

2018年12月9日 追記

あんまりにも良かったもんで、もう一度映画館で楽しんできた。

ずっと気になっていたという友人と共に観たのだが、恥ずかしながらライヴのシーンで思わず泣いてしまった。

これ自分でもビックリしたんですけど、ストーリーを知っているはずの2回目のほうが圧倒的に衝撃度も感動も大きかったんですよね。Queenについての知識を入れてから観に行ったほうがいいと前述したけれど、これやっぱ正しかったみたい。もうフレディの背中から始まるオープニングの時点でグッと来てしまった。

ライヴシーンも初見時は圧倒的なクオリティに度肝を抜かれてしまったけれど、2回目はもうフレディが歌うたびに涙腺がゆるっとなって『We Are The Champions』でもう我慢できなかった。歌詞のシンクロ度も相まってもう…ね。(今日はあちこちからすすり泣く声が聞こえていていたなぁ。あ、ホラー的な意味ではなく。)

 

本作のレビューもだいぶ出揃ってきて、なかには「これは史実じゃない!これは偽の歴史だ!」だとか「Queenはこんなんじゃない!」とか、まぁ批判的な感想を見かけることも多くなってきたけれど、正直こういう感想は一切無視していいです。

いや、別に批判的な感想を書いた人をどうこう言うつもりはないけどね。あくまで個人の思ったことだから。

でも観に行こうか悩んでいる人は細かいことは考えず、まずは自分の目で確かめてほしい。これ、DVDで観ても感動半減です。絶っっっっ対に劇場で、巨大スクリーンで観るべき作品です。これ劇場で観なかったら後悔しますマジで。

あぁ……3回目行こっかな。