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【映画レビュー】『カメラを止めるな!』は劇場で観ると100%楽しめる映画です。【ネタバレしたくない】

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出典:映画『カメラを止めるな!』公式サイト

 

いま巷で話題の『カメラを止めるな!』という映画をご存知だろうか。

ENBUゼミナールという俳優・女優養成スクールに所属する無名の演者たちが予算たったの300万円で作り上げたインディーズ映画なのだが、当初は都内の2劇場のみの公開だったはずが絶賛に次ぐ絶賛のの口コミが拡がり、評判に次ぐ評判を呼び、あれよあれよという間に180以上の劇場での公開が決まり、つい先日とうとう47都道府県での公開が決まった(2018年8月14日時点)というシンデレラストーリーを歩んでいる話題作。

実はもう少し待っていれば最寄りの劇場でも公開される予定だったんですけど、どうしてもいち早く観たかったもんで、都内へ足を伸ばして観てきました。

 

で、レビュー記事を書きたいと思うわけですが、この映画の感想を書くことって実はそれだけでほぼネタバレみたいなもんなんですね。最初から最後までストーリーを順に追っていくことでどんどん面白くなるというカラクリがこの映画の核なので、どうしてもレビューなんかとは相性が悪いわけです。

とは言え、なんでこんな大絶賛されているのかというのをお伝えしたい(というか誰かに話したくなる)ので、今回の記事は極力ネタバレしないように頑張りながら書いていこうと思います。どうぞよろしく。

 

前置きと注意書き

本作を観るにあたり、都内の一部劇場では『生き返り割』というキャンペーンが存在する。これは一度観た本作のチケットの半券を持っていくことで次回からは割引料金で観ることができるというもの。

一見、ゾンビ映画にちなんだ安直なキャンペーンだと思いがちだが、このキャンペーンが本当に恐ろしいのは『もう一度観たいと思わせる』ところにある。

1800円のフルプラを払ってもう一度観るのは…という人でも、割引価格なら復習も兼ねてもう一度観てもいいかなと思わせるし、そもそもこの映画が一度見終わった後、もう一度観たくなる仕掛けがふんだんに盛り込まれているからだ。 

ということを踏まえたうえで、この記事では詳細な内容への言及は避けつつ、この映画の見どころを私なりに紹介していけたらと思う。

なお、ここから先は以下に当てはまる方のみ読み進めていただければOKです。

 

・ネタバレされても本編を純粋に楽しめる方

・疑似生き返り割(ある程度知識を入れて初見からスッキリしたい)方

・そもそも観に行く時間がないからこの記事でなんとなく観たつもりになりたい方

 

よし、いいかな?

 

注意書きはしっかり書いたからね。

 

本題に入るよ?いいんだね?

 

ホントにいいんだね?よっしゃ。わかった。

 

では、レビューは以下からどうぞ。

 

観客目線で楽しむ第一部

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本作の設定は、ゾンビ映画を撮ろうとしている撮影クルーたちが本物のゾンビに襲われ、大パニックになるというもの。

作中でもやはり低予算であるのか、何かと演出や機材などはショボい。それでもこれに全てをかけている監督が満足する1本を撮るためにあの手この手でヒロインが恐怖する場面を撮ろうとする。

そして女優から真の恐怖を引き出すために、監督は狂気に満ちた行動を取るのだが、それがきっかけで……というのが前半までの流れ。

本作が話題になっている理由の1つである『37分ノーカットのワンテイク撮り』がこの第一部にあたる。 

作中の映画タイトルは『ONE CUT OF THE DEAD』であり、その名の通りカメラを止めずに見せ続けるワンカットで物語が終わるゾンビ映画となっている。

率直に言うと、ONE CUT OF THE DEADそのものはお世辞にも面白いとは言えない。というか、超ド級のC級クソ映画だ。

演出もショボいし、謎の間の悪さがあるし、演技がグダグダだし、カメラワークがメチャクチャで酔うかと思うし、演技がくどくてイライラするし、訳の分からない終わり方をする。

え?なにこれ?え…?と困惑しているうちに、ONE CUT OF THE DEADは幕を閉じ、エンドロールが流れ始める。

とここで退席しているオッサンがいたけど、あのオッサンはいったい何を観に来たんだろうか。ここで席を立ったら超C級の駄作でしかないのだが…。映画のポスターにも『最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。』って書いてあんのに。

あれか。エンドロールを観ると無条件で下痢する呪いでもかけられてんのか。

 

撮影クルー目線で楽しむ第二部

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さて、この『カメラを止めるな!』という映画が本当に面白くなるのはここからである。

物語はONE CUT OF THE DEADの撮影日から1か月前まで遡る。

ここではなぜ、監督がこの映画を撮ることになったのかという前日談を追っておくことになるのだが、このラスト60分足らずの内容でONE CUT OF THE DEADで感じた違和感や伏線をすべて回収していくことになる。

監督の周辺を取り巻く登場人物たちの人間模様や、ONE CUT OF THE DEADの撮影の裏側がすべて見えるこの第二部では、ゾンビ映画なのに劇場内には笑いが絶えなかった。

ゾンビ映画を観に来たはずなのに後半の60分では監督の日常を淡々と見せられたり、そこから転がるようにドタバタの映画撮影が始まる様を見せられたりともう大忙し。字面だけ見るとなんのこっちゃ?って話ですが、この60分間のストーリーのおかげで前半の37分で頭に「???」が浮かんでいた観客たちが一斉に笑いだすわけです。伏線が1つ1つ丁寧に回収されていき、これまでの違和感がスッキリし、はい!ここ笑うとこですよ!っていうシーンでしっかり笑える。

すると不思議なことに、劇場内には一体感が生まれてるんですよね。みんなで答え合わせをしている感覚になる。これは機会があれば是非とも劇場で実際に体感して欲しいと思います。

そもそもなんでこの答え合わせパートがこんなにも面白いのかと言うと……いや、これ以上は実際に観てもらうのがいいかもしれないかな。是非とも語りたいところではあるけれどやめとこうと思う。

 

ちなみに

今回は池袋駅西口から徒歩5分くらいのところにあるロサ会館という建物内にあるシネマ・ロサ(http://www.cinemarosa.net/)で本作を観たのだけれど、ロビーにはこんな観光名所にありそうなパネルがあった。

 

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ちょっと顔出して撮りたい気もしたけれど恥ずかしすぎるのでやめておいた

 

上映後、そそくさと劇場を後にしようとすると劇場内の放送で「このあと出演者の方の舞台挨拶があるので、お時間のある方はそのまま席でお待ちください」とアナウンスされたので、ワクワクして待っていると助監督の山之内洋役の市原洋(@1_uno_)さんが映画の舞台裏の小話をちょこっとしてくれて、パンフレットとTwitterの宣伝をしていた。

その後はパンフレットへのサインと記念撮影会を行っていたが、想像以上の行列になっていたので並ぶのを躊躇ってそのまま帰宅してしまった。

公開期間中は市原洋さんの他にもちょくちょく舞台挨拶に来ているようなので、気になる方はカメラを止めるなメンバーのTwitterをチェックしてみるといいかもしれない。

 いやー、この映画は本当に面白かったです。是非とも劇場で観ることをオススメします。夏休みで予定も特にないというかた、是非。

 

よろしくでーす☆