よくみれば雑食

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雑食系男子が日々の出来事やお役立ち情報、気になる話題など幅広く書いてます

Q.左は洪水、右は砂塵、後ろは変態、これなーんだ?

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A.地獄

 


バジリスク ~甲賀忍法帖~において、かの有名な伊賀鍔隠れ衆の福首領、薬師寺天膳は言いました。

「まこと地獄と申すものがあるならば、死してこの世に生まれ落ち二百と有余年、この天膳が住もうておる狭間の世こそまさに地獄なり 」

不老不死である彼は自身のその能力によって人間としてまともに生きること、ましてや死ぬことすらも許されず、過酷な運命に身を置くことに苦悩する様を嘆きました。

一方、2018年の現代においてこの世の地獄を味わった男がまた1人。…え?誰のことかって?


ここまで読んだらもう雰囲気でなんとなく分かるじゃろがい!ワシじゃい!!ワシのことじゃい!!!なんでこんな目にあわなイカンのじゃ!!!!なんて日だ!!!!!!!!!!


今回はそういう話です。よろしくどうぞ。

 

これを生き地獄と言わずなんと言う

今朝の通勤電車はやけに混雑していた。

それこそ毎朝のことだからなるべくストレスフリーな通勤をしたい。とは言え、ちょうど良い時間帯の電車に乗ると確実に満員電車で押し潰されることが分かっているため、あえて時間帯をずらした電車に乗ることにしている。

いま話題の時差Bizのお手軽版、プチ時差Bizとでも言おうか。このプチ時差Bizのおかげで普段はある程度のパーソナルスペースを確保することができている。

ただし今朝の車内は何故かいつもより混雑しており、数駅もすればあっという間におしくらまんじゅう状態になった。車内に人が増えるごとに、テトリスの隙間が埋まっていくがごとくミッチリと人で埋め尽くされていく。

やがて自分の周囲の環境がカッチリ固まるころ、私の周囲の状況がどうだったかと言えば、まず左には身体中からトンコツスープが無限に溢れ出し、私の左腕をウェッティにしてくれている妖怪ミートボール男。スッパイ臭いがチャームポイント。

そして右には人の顔に何度も新聞をバッサバサぶつけてくるうえに、畑仕事からそのまま乗ってきましたみたいな恰好であたりに砂埃をまき散らす妖怪砂かけジジイ。どうしても新聞が読みたい。

左右からウェット&ドライの猛攻を受けて、この時点で既に頭がおかしくなりそうだったのだが、極めつけは後ろにいるマンボウをとんこつスープで煮込んで仕上げにラー油をぶっかけたみたいなリアルガチの妖怪にケツをまさぐられていた。

 

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情報量が多すぎる。ツッコミポイントが大渋滞を起こしていてわけがわからない。

きっと読者のみなさま方におかれましては大変混乱されていることだろうと思われますが、このときは誰よりも私が1番混乱していたわけです。

そしてこのカオスな状況の後方では女子高生3人組がやたらヒートアップしている様子が聞こえてきた。内容を要約するにJK軍団のうちの1人が別の電車で痴漢の被害にあったらしく、その報告を受けたJKたちが憤っているという状態だった。

この報告を受けた後のJKたちの熱量は増すばかりで、数分後には「今度その変態野郎が出てきたら家からノコギリ持ってきて(ピー)を(ピー)にして(ピー)して(ピー)だゴルァ!」みたいなことを言っていた。もはやお口が悪いとか言う次元の話ではない。口内に悪魔が棲みついている。エクソシストカモーン!

 

そしてJKたちのヒートアップする様子を伺っている間にも、私はマンボウにケツをまさぐられている。ねっとりとねぶるような手つきでまさぐられている。人生史上TOP5に入るレベルで気持ち悪い。

JKよ、キミたちの目の前でまさにその変態野郎が出没しているわけなのだが。ノコギリで(ピー)を(ピー)にして(ピー)して(ピー)に値する野郎にケツをまさぐられているのだが。気付いてはくれぬものだろうか。

いったい前世でどんな悪行を働いたらこの魔境と化したこの一角に幽閉されるのか。どれだけのカルマを背負ってこの世に産まれ堕ちたのか。そんな現実逃避をしている間にもケツは揉まれ続ける。

 

せめてこのマンボウジジイにだけは天誅を

ピザデブ男も砂かけジジイもストレッサーの原因であることは間違いないものの、故意によるものではないので我慢するしかない。

しかし、マンボウジジイに関しては故意意外の何者でもないわけです。悪意の塊。ダークマターの擬人化。というかそもそもなぜ男のケツをまさぐっているんだ。

自分で言うのも何だが、私は決して美少年ではない。ましてや「実は超絶美少女でした!」みたいな衝撃の事実も存在しない。ごく普通の冴えない男。今年で28歳になりました。

そして両脇にいるのはピザデブ男と砂かけジジイなわけで、何かの間違いで私のケツをまさぐっているわけでもなさそうだ。いや、そもそも男のケツをまさぐっている時点で大きな間違いで、更に言えば痴漢そのものが致命的な間違いなんだけど、なんかもう混乱してきたなオイ!

なんてことを考えていたらマンボウジジイは途中の駅で降り、何食わぬ顔をして向かいのホームの電車へ乗り換えていった。

 

……なんだこの敗北感は。

 

普通に「ジジイ!てめぇコラ!気持ちわりぃんだよ!ハゲ!」とか怒鳴るのはつまらないし、なんか面白い方法で撃退してやろうと思考を巡らせているうちに逃げられてしまったという我ながら間抜けな結末。

思考を巡らせている最中もケツをまさぐられていたのに、結局何もできず逃げられるというケツの揉まれ損。ケツの揉まれ損ってパワーワードすげぇな。

 

結局、あのマンボウジジイにそういう趣味があったのか、「なぜケツをまさぐるかって?そこにケツがあるからさ」的なプロの変態だったのか、よくわからないまま最後に残ったのは散々まさぐられたケツの余韻だけだった。

漫画やアニメだったら最後の最後に劇的な展開が起きて大逆転!みたいなことになるんだろうけど、現実なんてこんなもんです。消化不良感がすさまじいままの幕切れ。主人公補正は働かなかった。これ以上、不幸なレディース&ジェントルメン、ボーイズ&ガールズが増えないためにも私の願いはただ1つ。

 

どうかあのマンボウジジイに天誅を。

 

今回のオチ

今日は本当に散々な1日だった。

朝からあんなことがあったもんで当然仕事にも身が入らず、やる気も出るわけがなかった。あんな目にあっていなくても元々やる気はなかったけれど、もっと、さらに、すさまじくやる気が失せた。

そんなこんなでただただ時間が過ぎるのを待ち、放心状態で帰宅することになったわけだけど、帰路につく電車でも事件は起きた。

帰宅ラッシュ中ど真ん中の時間帯とは言え、乗る車両とポジション取りさえしっかりしていれば人の波に飲まれることはない。もちろん、今回もポジショニングは完璧だった。

が、途中の駅で乗ってきたマダムがダイナマイトデカメロンをボインボインさせながら私の真後ろに陣取ったところで嫌な予感がした。

なぜ空いているスペースがあっちにもそっちにもあるのに、わざわざ端っこの、しかも真後ろ、マンボウポジションに陣取るのか。そしてなぜ私の背中にメロンが当たっているのか。

 

その後は降りる駅までずーーっとボインボインしてました。

変に動いて余計な誤解を生むのはリスキーであると判断した私はひたすらソシャゲをやり続けた。無心でフリーザをボコり続けた。修行僧のようにラディッツにかめはめ波を打ち続けた。そのあいだもずっとナメック星のドラゴンボールが2つ背中にボインボイン。

ボインボインに気を取られまいとすればするほどにボインボインが気になるジレンマ。

やっとのことで降りる駅につき、体制を変えた瞬間、マダムと目が合ったマダム、なぜか渾身のドヤ顔。

 

まさか今日1日で痴漢と痴女に遭遇するとは思わなかった。都会さ怖いとこだべな。