よくみれば雑食

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【詳細レポート】『エレカシ×スピッツ×ミスチル 3バンド夢の競演』が本当に夢の時間でした(セトリ&MCあり)

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エレファントカシマシ30周年記念ツアーのファイナルの翌日、スペシャルと題された特別講演が本当にスペシャルなライブだったので、自身の思い出の意味も込めて文字にして永久保存します。
当日行けた人も、行けなかった人も、これを見れば少しくらいはライブの情景が浮かぶ…かも。
ではいこう。
 

各バンドのセトリとMC書き起こし(感想付き)

スピッツ

1.春の歌
2.恋する凡人
3.8823
4.初恋クレイジー
5.チェリー
6.愛のことば
7.スターゲイザー
8.浮雲男(エレカシカバー)
9.みなと
10.涙がキラリ☆
11.さわって・変わって
12.スパイダー
13.トンガリ'95
 
時刻は17時過ぎ。さいたまスーパーアリーナの証明がフッと落ち、一気に会場のボルテージが上がる。そんななかトップバッターで出てきたのはスピッツ。
年功序列的にミスチルがトップバッターだろうと予想していただけにちょっと意外だった。
1曲目に披露されたのは春の歌。スピッツを代表する超有名曲で掴みはバッチリといったところ。マサムネさんの歌声は本当に心が浄化されるような気がするし、実際にさっきまで湧き上がっていた会場もマサムネさんの歌声に酔いしれている様子だ。絶対に声からα波とか出てる。
それにしても、スピッツの安定感と安心感はものすごくて、ちょっと油断するとライブDVDを見ているかのような錯覚に陥る。
MC1発目には久々のトップバッターが本当に新鮮で楽しかったようで、
 
「いやー、年代の近いバンドとこうして一緒にやるっていうのは…駆け出しのころライブハウスで一緒にやったころのことを思い出すよね。」
「ほら、俺たちももうそれなりに年齢を重ねたじゃない?だからなのか…トップバッターをやらせてもらえなくなってね(笑)」
 
と満面の笑みで語るマサムネさん。続けて、
 
「エレカシさんは本当に好きでよく聴いてるんだけどね。エレカシの曲は今まで正座で聴いていたのね。うん、でも最近は立って聴いてる(背筋ピーンのジェスチャー)」
「宮本さんが仰ってたんですけど、40歳は若者の老いた姿、50歳は老人の青春なんだそうですよ。だから我々50代になりましたけど、まだまだこれから頑張りますよ!3バンドとも末永く活躍できるように見守っててください(笑)」
 
とまぁMCが饒舌で、すごく面白い。本当にトップバッターが新鮮で自分たちも心底楽しんでいるんだなぁというのが曲からもMCからもひしひしと伝わってきて終始ニコニコしてしまうようなハートフルな時間だった。
ちなみにスピッツの出番が終わった時点で時刻は18時20分。この調子でいったら22時回るんじゃ…?
 

Mr.Children

1.prologue
2.Everything(It's you)
3.HANABI
4.innocent world
5.太陽ギラギラ(エレカシカバー)
6.and I love you
7.here comes my love
8.himawari
9.やさしさ(エレカシカバー・最初の触りだけ)
10.名もなき詩
 
続くミスチルのライブはとにかく圧巻だった。
実は生のミスチルのライブは初体験だったのだが、1曲目の音が鳴るなり会場が一瞬にしてミスチルの世界観に染まったのが分かった。あそこまで瞬時に自分たちの空間にしてしまえる彼らを見て、モンスターバンド、カリスマバンドっていうのはこういうことを言うんだと鳥肌が立ったのを今でも鮮明に覚えている。
そして主役のエレカシを食ってしまうんじゃないかと思うくらいに盛り上げまくる。またそれがうますぎて、どんどんミスチルの空間が濃くなっていくし、さも当然かのように、かつ自然にコールアンドレスポンスを投げかけてくる。歌詞を会場に歌わせる。そしてそれに何の疑問も感じさせない。その光景が素敵すぎて、まるで映画を見ているような気分だった。
思わず「すげぇ…」と溢している自分自身にふと気づいて驚いたくらい、ミスチルの世界観にあっという間に引き込まれていた。
ちなみに、個人的にはHANABIからのinnocent worldでテンションが最高潮にブチ上がって、ライブ終盤の、おや?エレカシのカバー2曲目…?からの不意打ちの名もなき詩で脳汁が溢れすぎて溺れ死んだ。爆弾ハンバーグの肉汁の比じゃないくらい脳汁が溢れて死んだ。
そしてやっぱり桜井さんもMCは上手くて、
 
「本当にエレファントカシマシさんを尊敬してるっていうか、リスペクトしてるんですよね。何を隠そう、僕たちも学生時代に、かのエレカシを輩出したオーディションに応募してるんですよ。ねぇ。まぁ、これは落ちたんだけど(笑)」
「でもさ、落ちたのが悔しくてもう電話までして理由を聞いたんだよね。そしたら審査員が一言、個性がなかったって。それ聞いて、はぁ!?と思ってさ。エレカシも見た目は大して変わらんだろ!って。髪も立ててないし、格好も地味だしって(笑)」
「でもね、そんなことを思いながら視察…じゃなくて勉強をしにね。ライブを見に行ったんです。そしたら他のどんな奇抜な格好をしたバンドよりも熱くて、とても輝いていたんですよね。それ見てかっけーって思ってさ。それからもうずっと大ファンなの(笑)」
 
と、かなり濃厚にエレカシ愛を語る桜井さん。これノンストップで語ってますからねw
下手したらもう1曲できたんじゃないかと思うくらい濃厚に語りつくしたあとは、
 
「実はね、僕たちもエレカシの曲をカバーするにあたって、やりたい曲と実際に実際にやっていい曲のアレとかがあって。だってエレカシさんが本番でやる曲と被っちゃったらダメじゃない?だからマネージャーさんにお伺いを立てて、こんな曲やろうと思うんですって。そしたら、なんでそんな地味な曲やんの!?って(笑)」
「今日来てるみなさんは本当にお得だよ。だってこんな(豪華な)組み合わせ、最初で最後かもしれないよ。(客席からえーっという声)えーってか?…そりゃあ、宮本さんからお誘いがくれば話は別ですよ!(ステージ裏を覗きこむ)」
 
ミスチルのライブが終わるころには、タイタニックを見終わったかのような満足感と、それでもまだ見たい、もっとおかわりしたいという空腹感でテンションがおかしなことになってしまった。
ちなみに時刻は19時30分。スピッツからのステージチェンジの時間なども含めると都合50分くらいの出番だったことに気付き、最後の最後まで驚かされた。なんて濃厚な時間だったんだ…。
 

エレファントカシマシ

1.RAINBOW
2.奴隷天国
3.悲しみの果て
4.星の砂
5.風に吹かれて
6.笑顔の未来へ
7.桜の花、舞い上がる道を
8.風と共に
9.ガストロンジャー
10.今宵の月のように
11.Easy Go
12.FLYER
 
満を持して大トリであり主催者のエレファントカシマシが登場。
クライマックスともなれば一気に会場のボルテージが上がり、ゴリゴリのロックサウンドと会場の歓声が混ざり合って最高に気持ちがいい。やっぱりロックバンドのライブはこうでなくっちゃと思わせてくれる。
楽曲も代表曲を多めにやってくれたこともあって、スピッツやミスチルのファンでも楽しめたんじゃないかと思う。いわばエレカシベストみたいなもんだもの。
しかしいつ見ても宮本さんのライブ中のONとOFFは本当にすごい。
曲の最中は過激なパフォーマンスと魂を込めた最高の熱唱を見せてくれるけど、いざMCになると「まぁ…なにも考えてないんですけど。」から始まり、「いや、これを言うのは後ででいいですね。」「ホントにね…………うん。なに喋ろうとしてたか忘れてしまいまいた(笑)」と観客がズッコケてしまうようななんとも可愛い宮本さんが登場する。
ドラゴンボールでいえばランチ、こち亀でいえば本田、遊戯王で言えば遊戯よろしく、人が変わったようだというのはこういうことを言うのだと思う。
ちなみにエレカシのトークは9割がた『スピッツとミスチルの賞賛』で、曲の間にこまめに挟むMCは大体が「それにしてもね、本当にスピッツはすごくて…」「ミスチルは最高で…」で始まっていた。
この日は本人曰くフレンドリーだったらしく、やけに饒舌だった気がする。スペシャルなお祭りだもんね。本当に楽しんでいるのが見てとれる。
そんなこともあってミヤジワールドは展開されて、
 
「当時ね、ミスチルのinnocent worldが300万枚売れて、ものすごい新人が出てきたと思いましてね。こりゃあすごいぞと。若い子が大記録を打ち立てたってなって驚いていたんですけれども。最近はもうみんな50前後になって年齢がどんどん追い付いてきたって感じで…。」
 
これは宮本さん曰く0歳と10歳は大きく離れているが、40と50は同じようなもんだろうという理屈らしい。でも、そもそも桜井さんと宮本さんは3つしか離れていないから当時も感覚はそんなに変わらないんじゃ…w
 
「スピッツの涙がキラリ☆が大好きでしてね。今日演奏してくれたのは運命的なものを感じましたよ。これきっと草野さんが俺が好きだってことを知っててやってくれたんじゃないかって。…って俺のためにやってくれたわけじゃないけどさ(笑)」
「いやー、スピッツとミスチルがカバーしてくれた曲を聴いて感極まりましたよ。(涙を流すジェスチャーをしながら)でもやるのは昔の曲なんだね?(笑)」
 
これもスピッツとミスチルからすれば、本人が本編でやるであろう有名どころはさすがにカバーできんでしょという忖度の結果だと思うのだがw
 
「エビバディー!いい顔してるぜぇー!かっこいいぜー!かわいいぜー!...あんま見えないけど(ボソッ)」
「(自分で持ってきた新曲を歌い終わって一言)これ息継ぎがなくてダメですね。もっと練習しときます(ゼェゼェ...)」
『自分のギターが邪魔になり捨てる→間奏でギターがないことに気付きギタリストからギターを強奪→歌い終わったらまたすぐギターを投げ捨てる(ギタリスト大慌てで回収に向かう)』
 
とまぁ、基本的に曲のパフォーマンス中以外は終始自由すぎる言動で会場には笑みがこぼれていた。
でもMCが苦手なぶん、歌で想いを伝える、滾る熱い想いをぶつけるという、ザ・ロックシンガーの魂を見せつけてくれた宮本浩次に惚れたスピッツファン、ミスチルファンも多くいたに違いない。
ここで時刻は20時40分。エレカシも都合1時間弱のパフォーマンスだったようだ。
 

アンコール

1.ファイティングマン
 
エレカシがステージ袖にハケるやいなや、スタンディングのままアンコールが巻き起こる。ここまで濃厚な時間が終わるのはあまりにも惜しい。そんな思いが会場全体から感じられた。
機材をセッティングしているスタッフの数からしてもしかしてとは思っていたけれど、先陣を切って登場した宮本さんの紹介でスピッツ、ミスチルの2組がステージに登場し、夢の3バンドが一堂に会すると会場のボルテージはこの日最高潮。この豪華な場面を見ることなく退場してしまった参加者は本当に惜しいことをしたと思う。
アンコールでそれぞれお互いを褒めあうというなんとも微笑ましいマサムネさん、桜井さん、宮本さんの3人のトークが楽屋ノリみたいなフランクな会話みたいですごく面白かった。

マサムネさん「久々にトップバッターをやって。あとからミスチルさんとエレカシさんのパフォーマンスを見て反省しましたよ(笑)」
宮本さん「やっぱり出番はあとになればなるほど気が楽ですからね(笑)」
桜井さん「(爆笑)」
 
という反省会をステージで見せてくれるなんて…(感激)
こんなのライブDVDの特典映像とかで見れるやつでしょ?生で見ちゃっていいの?
 
宮本さん「(桜井さんに向かって)どうですか?僕たちの歌は?(ライブの出来は)」
桜井さん「最高です!(即答)」
宮本さん「なんかすいませんね、言わせちゃって(笑)」
マサムネさん「(爆笑)」 
 
なんなのこのおじさんたち…。なんでこんなカワイイの…。なのにどうしてカリスマ感が抜けないの…。そしてそのレジェンドたちがすぐそこでオフトークしてるのをまじまじと見ている我々はなんなの…w
そんな延々に見ていられる3人のトークショーのあとは、超豪華3バンド共演でのファイティングマン。スピッツのリズム隊が演奏を、ミスチルのリズム隊はダンスを担当。ダンスってw
そしてまさかのアンコールは曲が進むにつれてグダグダになっていって自然と笑顔になってしまった。これ絶対に楽屋裏でこのパートを誰が歌うかくらいの緩い打ち合わせしかしてないうえに、宮本さんがアドリブでメチャクチャやっただろw
だけど、それがまた本当にアンコールに応えてやってくれた感じがしてグッとくるものがあった。
アーティストのライブでは、もはやお決まりとなったアンコールでの登場。これに苦言を呈したアーティスト(というか兄貴)もいたように、予定調和のキッチリカッチリ仕上がってるアンコールを普段から見すぎていたせいか、むしろこのくらい自由なアンコール曲というのはとても新鮮だった。
これで本当の本当に夢の時間は終わり。時刻は21時過ぎ。計4時間の贅沢な時間でした。
 
ちなみにアンコールを歌い終わった直後、ボーカルの3人が肩を組んだその映像が国宝級で待ち受け画像にしたくてたまらない激レアショットだったことを書き記しておく。
あの光景はいつまでも脳裏に焼き付いて離れないことだとは思うが、可能ならばあの瞬間だけでも待ち受け画像とかで配布されないもんだろうか…。
3000円くらいまでならすぐに払いますから。関係各所の皆様、どうかお願いします。 
 

本当に「最高!」以外の言葉が見つからないライブでした

スピッツとミスチルがエレカシへの熱い想いを、エレカシは2組に最高のリスペクトと感謝の想いを。ここまで1つのライブに起承転結を感じたのは、というより1つの物語を見ているような感覚になったのは初めてだった。
桜井さんも言っていたように、こんなすごいライブを見れるのは最初で最後かもしれない。
このライブの存在を知ったときはロックフェスの大トリがまとめて見れるなんてお得じゃ~んくらいにしか思っていなかったけれど、実際に参戦したらとんでもない。
ロックフェスでまとめて見るのは美味しいと評判のレストランでオードブルを楽しんでいる程度に過ぎないのだ。このライブは三ツ星レストランのフルコース級だし、それを堪能できた私は本当に運が良かったのだと思う。
 
ちなみに客席の反応を見ているとスピッツのファン2割、ミスチルのファン4割、エレカシのファン4割くらいの割合だったように感じた。しかしそういったファンだから・ファンじゃないからということは一切なく、会場全体がこの最高に贅沢な場を思いっきり堪能して、最後の最後まで楽しみつくした様子が見て取れた。
あの日、同じ空間で楽しんでいた人がこの記事を読んで、少しでも当日のことを思い出してくれたら嬉しいと思う。
そして惜しくも参戦できなかった人はこの記事を読んで、少しでも行ったつもりになってくれたらそれはまた嬉しいなぁと思います。
 
ということで以上!カザマケイタの参戦レポートでした!